ATS-Ps

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ATS-PsとはJR東日本が開発した鉄道用の保安装置である。

概要[編集]

従前の自動列車停止装置であるATS-SX(JR東日本での名称はATS-Sn)では列車を緊急停止させることは可能であったが、赤信号で非常ブレーキが作動しても最大600m滑走してしまうなどの問題があった。そのためATS-Pが開発されたが、ATS-Pは大変高価であり、だからといってATS-Snのままにするのはあれだからという理由で低コスト版として開発された。
民鉄の「速度照査式ATS」に例えると、「段階減速式ATS」と称することができるだろう。

設備[編集]

信号機から655m手前に地上子[注 1]を設置し、これを「第一地上子」とする、この地上子を停止現示時にATS-Ps搭載車が踏むと、65Kmまで減速するパターンが作られる(このパターンが定めた速度を超過すると非常ブレーキが作動する)
信号機手前390mに地上子がありこれを「第二地上子」とする、この地上子を停止現示時にATS-Ps搭載車が踏むと、15Kmまで減速するパターンを作る。
そしてATS-Sxと共通の20m手前の信号直下地上子を踏むと列車は非常ブレーキで強制的に停止する。

特徴[編集]

ATS-Sxとの互換性を持たせつつも[注 2]ATS-Pのように信号機手前で停車させることができ、尚且つ低価格で導入も簡単という長所がある。

JR東日本のローカル線や地方幹線を中心に設置が進んでいる。

最近はしなの鉄道やえちごトキめき鉄道などでも設置されている。

注釈[編集]

  1. ATS-Sx系統のロング地上子は600m
  2. ATS-Ps搭載車がATS-Sx区間に入った時の挙動はATS-Sxと同様