ATS-P
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ATS-Pとは、JRが開発した鉄道の自動列車停止装置である。
概要[編集]
ATS-Sxシリーズでは赤信号で非常ブレーキを掛けることはできたが最大赤信号を600m滑走するなどの問題があり、そのため赤信号の手前で強制停止させるために開発された保安装置である。
1988年(昭和63年)に東中野駅構内で起きた列車衝突事故を機に、JRの都市圏線区への導入が進んだ。
仕組み[編集]
赤信号手前600m手前にあるパターン発生地上子を踏む(列車内の車上子がパターンを受け取る)と赤信号までにギリギリ停車できる上限速度を発生させる。これをパターンと呼びこのパターンに触れる(速度超過)をすると、常用最大ブレーキで列車を強制的に減速させ、パターン以下になるとブレーキを自動的に解除する。
なお、赤信号直下の地上子を踏むと非常ブレーキがかかるのは従来型と同じ。
ただし、ATS-P/Ps統合装置[注 1]と自動ブレーキを搭載している車両でパターンに触れると非常ブレーキが作動する上、パターン以下になっても完全に停車させられる。
また最高速度に対する速度照査や速度制限にも対応する。
派生型[編集]
- ATS-PT
- JR東海が採用したATSで一部の機能削減によってコストの見直しが図られている他、パターンに触れると非常ブレーキで列車が停止する。
- ATS-PF
- JR貨物で採用のATS
- 貨物列車の減速特性に対応する他、PTと同様にパターンに触れた時の挙動は非常ブレーキ。
問題点[編集]
- 互換性の無さ
- ATS-Sx系統とは互換性が全く無くATS-PだけではSx系統が残る線区には入線できない。
その為ATS-SxもしくはATS-Psを地上側で併設するケースや車上側で両対応とするケースが多い。 - 逆進運転との相性の悪さ
- 大幅な逆進動作をすると誤動作を引き起こす問題点がありスイッチバックとの相性は極めて悪い。
- 必ずしも赤信号滑走を防げる訳ではない点
- パターンは本当に赤信号ギリギリで停止できるように算出される為雪や雨等で摩耗係数が低下すると滑走のリスクがある。
注釈[編集]
- ↑ 実例として新潟所属のE129系やしなの鉄道のSR1系