高井有一

高井有一（たかい ゆういち、1932年4月27日-2016年10月26日）は、作家。「内向の世代」の一人とされる。

人物

本名・田口哲郎。明治の作家・田口掬汀の孫。東京府北豊島郡長崎町生まれ。早稲田大学第二文学部英文科卒。共同通信社に入社、記者として活動し、1977年に退社。1964年より同人誌『犀』に創刊から参加、1965年、母の死を描いた「北の河」で同人雑誌推薦作として『文學界』に再掲載され、同作で芥川賞受賞。76年、祖父を描いた『夢の碑』で芸術選奨文部大臣賞受賞。1984年『この国の空』で谷崎潤一郎賞受賞。89年『夜の蟻』で読売文学賞を受賞。91年、親しかった作家を描いた『立原正秋（せいしゅう）』で毎日芸術賞を受賞。99年『高らかな挽歌』で大佛次郎賞受賞。2002年『時の潮』で野間文芸賞を受賞した。

1994年、柳美里が「石に泳ぐ魚」でモデル女性から提訴された際は柳の擁護をし、前もってモデルにすることを言うべきだったという意見に対し、そんなことをしたら断られるに決まっているし、それでは作家はやっていけないと述べた。