鎧の姫君たち

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鎧の姫君たち』(よろいのひめぎみたち)は、葉村哲による日本ライトノベル作品。イラストは、羽鳥ぴよこが担当。

概要[編集]

2014年10月にMF文庫Jから刊行されたライトノベル作品。『バロックナイト』、『おれと一乃のゲーム同好会活動日誌』に続く葉村哲の作品となる。2014年8月から3か月間連続で刊行されるMF文庫Jによる「すきです!ラブコメフェア」の第三弾作品。

登場人物[編集]

詳しくは、各キャラクターページも参照。

主人公[編集]

式神 竜彦
本作の主人公。18歳。神に匹敵する力をもったティアマトに竜の卵(こども)作りのためのハーレムをつくるため意識体に選ばれて異世界にやってくる。本人は彼女が欲しいという理由だけで承諾したのだが、何気ない行動でも周囲が過大評価をするため、次々とハーレムを築くことになる。
崇高な理念を持った「竜星の騎士」と呼ばれるが、力の大部分はティアマトの力を借りているだけなので、そのことに対して胃がキリキリしている。

共鳴者[編集]

ネフェルティア・デモナール・オーディヌス
竜彦が異世界で最初に会った女の子で共鳴体。魔族王国デモナールの姫。通常であれば魔族は魔法を使えるが、使うことができない。そのため、魔法の使えない人族が魔法を使うための技術を学ぶ「知恵の学院 魔法石機関工学科」に通う。母親である魔王を倒して次代の魔王になろうとしている。なお、母親と険悪というわけではなく、母親が宰相がいないと魔王の仕事をしようとしないため、自分が魔王になって過労気味の宰相を楽にさせようとしているためである。魔法が使えないため、「ブリージンガーメン」という鎧を着用して戦っており、クリスティーナと互角の実力を持つ。
竜彦が悪い大人に騙されると心配するほどの良い子。初めて出会った時から、竜彦を「竜星の騎士」として慕っている。竜彦の申し出によって竜彦を従者とする。
クリスティーナ・ドラグニール・ユピテリウス
帝都ドラグナの第三皇女。「知恵の学院 魔法石機関工学科」に通う。金髪美少女で、ネフェルティアに並ぶ巨乳。ファナ・ロッサの弟子。二つ名「雷華」の抜き打ちの名手で専用装魔装甲「メリュジーヌ」を持つ。帝国装魔騎士団長やネフェルティアとも互角に渡り合っており、学院の生徒会議の議長。
ティアマトの時間停止によって竜彦が意図せずにサーベルを破壊したことによって、竜彦に好意を持つ。ネフェルティアと同じくらい竜彦を持ちあげるようになり、帝位継承権を竜彦に譲ることになる(竜彦本人は望んでいないが)。「アハッ」と笑う。
ラクリマ・ベーゼ
暗殺諜報部隊《暗夜衆》所属「水晶の針」。ネフェルティアの専属従者の幼馴染の少女。ネフェルティアの相手として竜彦がふさわしいかどうかを試すために決闘する。糸の結界を使うなど戦闘能力は高いが、ティアマトの力を借りた竜彦に敗北。その際、共鳴者の一人だと判明。竜彦を認めて、感服するようになる。
エリザベート・ドラグニール・ユピテリウス
帝都ドラグナの第一皇女。クリスティーナの姉。通称「エルザ」。帝国を平和にするために、竜彦を嫁に向かえて皇帝にしようとした。
リリィ / 天竜なるもの
研究所によって生み出された天竜の能力を身につけさせられた少女。デルターシュ・ブレイズによる成果であり、思考を現実化する兵器。20年間、ヴァインス・ディオニス・パガルナによって管理されていたが、竜彦がこの娘を救えると期待して伯爵自身の手によって解き放たれた。ネフェルティアとティアマトの力を借りた竜彦に助けられる。そして、ファナ・ロッサに保護された。
第2巻にてリリィという名前をつけられて、竜彦たちが育てることになる。
アマルガム
第3巻から登場。鉄霊族の姫で『鉄竜姫』朽ちぬ鋼鉄のアマルガム殿下として知られる。髪はお団子頭にして二つにまとめている。巨大なツルハシを持ち歩く。ネフェルティアとは魔工学の話で意気投合して以来、友人となっている。魔法を使えるのに魔工学を学びに来た変わり者。ネフェルティアと同じくらい小柄で、同じように巨乳。
シルヴィア・ユピテリウス
第3巻から登場。『大公姫』シルヴィア・ユピテリウス。愛称「ルヴィ」。長い赤色の髪を縦に巻いている。皇族の家系だが、継承権を持たない傍系。貴族ではあるが、所有する領地はない。クリスティーナとは姉妹ではないが、「クリスティーナお姉さま」と呼んで仲良くしている。クリスティーナを慕っており、口調や髪形を真似しているが、胸は年相応ながらもクリスティーナと違って小ぶり。
セイレン・ネプチューヌ
第3巻から登場。リリィの友人。一人称は「ボク」。褐色の肌に巨乳の組み合わせ。海洋連合(海賊連合)の姫で『紺碧の海賊歌姫』とも呼ばれる。歌うことが好き。
最初は形だけで藻いいから竜彦と結婚しようとしていたが、竜彦がネフェルティアとクリスティーナを愛故に娶ったと聞いて、自分も同じくらいに竜彦を好きになるように頑張ろうと決めて、同時に竜彦への好感度が上がった。
エスメラルダ
第3巻から登場。『塔の聖なる巫女姫』。盲目だが、何かを見通しているような雰囲気がある。神殿都市出身。
ライナ・パールカーリー
第3巻から登場。『北方の双子姫』。北方連盟盟主の双子の娘。右の瞳が金色で左の瞳が黒色。なめらかな白肌と控えめな胸をしている。
レイナ・パールカーリー
第3巻から登場。『北方の双子姫』。北方連盟盟主の双子の娘。右の瞳が黒色で左の瞳が金色。なめらかな白肌と控えめな胸をしている。

知恵の学院[編集]

ファナ・ロッサ
ネフェルティアたちの通う学院の学院長。「武神」と呼ばれる。二十年前に帝国が魔族の国に攻め入った「十日間戦争」でネフェルティアの母親と唯一互角に戦って、戦争終結を三日間も遅らせた。
小柄で子供っぽいが、胸は大きい。生徒たちのことを大切に思っている。

使用人[編集]

竜彦本人は気づいていないが、ハニートラップを仕掛けるために各国が派遣した学院の使用人。

イメリア
メイジューン
メイプル

結社[編集]

ヴァインス・ディオニス・パガルナ
帝都ドラグナの伯爵。「美食卿」、「腹ペコ伯爵」と呼ばれるほど、食べることが好き。
子供を強制労働させるような場所ではなく、子供をきちんと教育する場としての孤児院を運営しており、学院に通っている子供も多い。自らを当たり前が嫌いな反逆者といっており、貴族の男児にしては珍しく「知恵の学院」に通ったり、孤児を一人でも救おうとしたりする。
竜彦に凡庸でありながら力を持つ存在として、世界を変えてくれると期待している。
世界を滅ぼす研究をして魔族に「十日間戦争」を仕掛けた八代皇帝に対して、戦争終結後に今の十代皇帝と計画を立て九代皇帝となった人物に暗殺を実行させている。表向きは八代皇帝は病死となっている。
プティング・ローア
ヴァインスの従者の少女。さぼり気味なヴァインスに仕事をさせようと奮闘する。胸はないが、美脚でヴァインスが頼みこんでタイトスカートを履かせている。
デルターシュ・ブレイズ
通称「機関王」。ネフェルティアの王国時代の魔工学の先生で、ネフェルティアの鎧「ブリージンガーメン」を作った。元々は帝国の研究所出身。世界を滅ぼす狂気に囚われていた八代皇帝による世界を滅ぼす研究の妄執を完成させた天才で「悪夢の担い手」。
アルベルト・ハンバード
通称「鋼鉄卿]。帝国軍元帥。かつての強大な帝国を取り戻そう皇帝にクーデターを起こすが、竜彦によって失敗する。

[編集]

青竜《調和なる》ティアマト
竜彦を異世界に連れてきた竜。概念に近い存在であり、自分が存在した証明として「卵(こども)」を残すために、竜彦と意識を共有。指定した共鳴体の女の子と竜彦がラブラブするハーレムを作らせて、意識を共有した竜彦を通して卵を作る。世界を破壊するほどの力を持ち、竜彦に協力しているが加減をするのが苦手。
緑竜《豊穣なる》フレイア
「増殖」を司る竜で、えっちぃことが大好き。ネフェルティアの中にいる存在。ネフェルティアが魔法を使えないのは、フレイアを膨大な魔力で抑えているから。

その他[編集]

ドラグニール十世
現在のドラグニール皇帝。自身を「無能ではないが有能というわけでもない」と評価している。気の弱いが、言うときには言う度胸はある。娘たちや元帥のことを信頼している。
北方連盟盟主
ドラグニール帝国との平和条約に調印する。山賊みたいな風貌。

用語一覧[編集]

ドラグニール
人族最大帝国。帝都ドラグナには、帝国唯一の公立教育施設「知恵の学院」がある。
知恵の学院
元々は帝国貴族の子女が礼儀作法を学ぶ場で通称「庭園」。二十年前に優秀な平民を集めた魔法石機関工学科(魔工学科)が設立され、魔工学者を育成するようになる。
魔族
魔法を使用することができる。500歳以上生きることは普通。
十日間戦争
二十年前に人族の帝国が魔族の国に攻め入った戦争。魔王であるネフェルティアの母親の反撃によって10日間で集結。死傷者はでなかった。
研究所
八代皇帝の命令で世界を滅ぼす研究をしていた研究所。デルターシュ・ブレイズによって、ある程度の成果ができてしまう。
九代皇帝は粛清に走るも、研究員の大半は逃走。さらに帝国貴族が研究の成果や研究員を目的に脱走を手引きしたことによって、帝国中にその成果が広まってしまう。知恵の学院の周りには危険な研究所が残っているが、貴族の依頼も引き受けていたため、取引記録が見つからないように貴族同士が牽制しているため、調査もできていない。
金竜騎兵団
ドラグニールと国境を接する北方連盟の誇る騎士団。竜彦と対決することになるも、全裸にされて敗れる。

単行本[編集]

MF文庫Jメディアファクトリー)より刊行

タイトル 初版発行日 ISBN その他 サブタイトル
鎧の姫君たち
あるいは魔法石機関工学科の魔王による社会契約論
2014年10月31日(2014年10月24日発売) ISBN 978-4-04-067128-4
  • プロローグ
  • 序章 真昼の竜の星
  • 第一章 騎士と魔王姫とハーレム、あるいはネフェルティアさまの初恋
  • 第二章 決闘皇女、あるいは庭園と工房
  • 第三章 魔王姫の決闘
  • 第四章 覚醒皇女、あるいは皇子と伯爵と男の本能
  • 間章 胎動、あるいは凡庸なる狂気
  • 第五章 水晶の針、あるいは魔王姫さまの新たなる挑戦
  • 第六章 魔王姫の勝負パ……あるいは不穏なる平和な一日
  • 第七章 お茶会は準備中、嵐の中心は無風
  • 第八章 月のない夜、あるいは人の創りし狂える夢
  • 終章 竜星王
鎧の姫君たち2
帝国第一皇女による平和的戦争論
2015年2月28日(2015年2月25日発売) ISBN 978-4-04-067406-3
  • 序章 英雄と戦争
  • 第一章 幼き竜
  • 第二章 売国奴
  • 第三章 罠
  • 間章 神聖結社
  • 第四章 第一回母親力選手権
  • 第五章 帝都の休日
  • 間章 反逆前夜
  • 第六章 皇帝反逆
  • 第七章 伝説と真実
  • 第八章 《竜》と《竜》
  • 終章 約束
鎧の姫君たち3
姫君たちによる調和的統一恋愛論
2015年5月31日(2015年5月25日発売) ISBN 978-4-04-067656-2
  • 序章 三人と六人の姫君
  • 第一章 狙われた竜彦
  • 第二章 《竜》の傷跡
  • 間章 たとえ我が手を汚してでも
  • 第三章 魔工学科の新任教師
  • 第四章 開催、本気鬼ごっこ
  • 第五章 リリィちゃんを救う会では特に皆さまの力を募集していません
  • 第六章 六人の姫君
  • 第七章 決闘の姫君たち
  • 第八章 《竜》と《竜》、『式神』と初恋の終わり
  • 終章 ちょっと世界を救ってきます

関連項目[編集]

外部リンク[編集]