転置行列

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
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転置行列とは、m行n列行列Aに対してAのi,j成分とj,i成分要素を入れ替えてできるn行m列の行列のことである。行列の転置行列を与える操作のことを転置と言う。

概要[編集]

などと表記する。 正方行列に対しては、転置行列は各成分を対角成分で折り返した行列になる。 ベクトル(m=1またはn=1の行列)に対しても使われ、表記上収まりを良くするときにも有用である。

性質[編集]

行列A,Bとスカラーk,lに対して、各演算が定義できる限り以下が成り立つ。

  • (対合性)
  • (加法性)
  • (斉次性)
  • (線形性=加法性+斉次性)
  • (は順序を入れ替える)

正方行列[編集]

  • (逆行列と転置は交換可)
  • (トレースは等しい)
  • (行列式は等しい)

転置行列により定義される行列[編集]

  • 対称行列:転置が元の行列と等しい。()
  • 交代行列:転置が元の行列に(-1)と等しい。()
  • 直交行列:転置が元の行列の逆行列と等しい。()

これらの行列はそれぞれ随伴行列に対するエルミート行列歪エルミート行列ユニタリ行列に相当する。