覚醒剤
覚醒剤(かくせいざい)とは、メタンフェタミンまたはアンフェタミンを指す。無色透明。「エス」「スピード」「シャブ」「アイス」「ヒロポン」「シャブ」「ガラスネタ」などともいう。日本では覚醒剤取締法にて禁止されている。
歴史[編集]
1887年にドイツのラザル・エデレアーヌがアンフェタミンを、1893年に日本の長井長義、三浦謹之助らがメタンフェタミンを抽出。1919年、緒方章によって結晶化され、現在多く使われている形になった。
効能[編集]
摂取すると一時的にシャキッとするため、「元気の前借薬」「眠気覚まし」とされる。食欲減衰、気分高揚、睡眠欲がなくなる、集中力の増加、心拍数、血圧、体温の上昇、パフォーマンスの向上などの効果がある。
いわゆるアッパー系のドラッグの代表であり、ダウナー系のドラッグとは対極に位置する。
第二次世界大戦時は、ナチス・ドイツや大日本帝国の軍や工場で、積極的に使用された。特攻隊などに「突撃錠」という覚醒剤とカフェインとタウリンのカクテル錠剤が配給されたが、「あれはそんなにイイもんじゃない」と経験者は述べている。戦後も「ヒロポン」として、1951年に覚せい剤取締法で規制されるまで普通に販売され、復興の一助になった(かもしれない)。なんにせよ効きが激烈なので、医薬品には向かない。類似するメチルフェニデートはいわば「効きがマイルドな覚醒剤」であり、アメリカなどではADHD に処方されることもある。
かつてはマオウ(植物)からの抽出物であったが、現在では合成経路が開発されてアセトンからでも合成できるという。
2022年まで、日本で最も多く乱用されているドラッグだった。それ以降は大麻に抜かれている。
都市伝説[編集]
「離脱症状でイライラする」は本当であるという。「副作用で歯が欠ける」はエビデンスがないのでシンナー(正確にはトルエンなどの有機溶剤)との混乱がありそうに思う。あるいは覚醒効果によって可能になった過度な活動によるものか。ただし酩酊状態と変わらない(というか、抑圧機構が正常に働いていないので酒乱に近い)ので本人にも周囲の人間にとっても危険である。
更に危険なのは幻覚や妄想が引き起こす犯罪である。しかし幻覚効果はあまり強くない。生活苦や借金苦からの逃避のために薬物に逃げているうちに幻覚や妄想が出るようになった、とも解釈できる。近年?では深川通り魔事件の犯人の川俣軍司が有名である。「マイアミゾンビ事件」も「『ドラッグが原因だった』というのは誤報であった」とのこと。
なんにせよ、堅気の衆が手を出すような薬物ではない。ヤクザも「シャブには手を出さない」というのが仁義である。