行列値関数

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
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行列指数関数から転送)
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行列値関数とは行列を変数に持つ特殊関数の総称である。

概要[編集]

n次正方行列Aと複素数上の関数fに対して、

ならば、

と定義するのが自然である。ただし、(Eは単位行列)。 なお、一般に行列のn乗を計算するには対角化などがいる。
fがテイラー展開などのベキ級数表示を持たない場合は、別の方策が必要である。

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行列指数関数[編集]

n次正方行列X,Y、複素数a,b、n次の単位行列と零行列E,Oに対して以下の性質をもつ。

  • (0乗)
  • (指数法則的)
  • (指数法則的)
  • のとき(指数法則的)
  • 正則行列のとき
  • (転置と交換可)
    • よって、対称行列のときも対称行列であり、Xが交代行列のとき直行行列である。
  • (エルミートと交換可)

また、行列微分方程式の解に出現する。

の解は、

行列の三角関数[編集]

行列の対数関数[編集]

行列指数関数の逆関数的に定義される。つまり、

与えられた行列が対数を持つための必要十分条件は、それが正則行列であること。
複素数の場合と同様に、行列の対数はしばしば一意ではない。

行列の平方根[編集]

行列のの逆関数的に定義される。つまり、 行列の積に関してに等しいときに、BをAの行列の平方根という。
行列の対数関数と同様に、行列の平方根はしばしば一意ではない。