自炊 (電子書籍)
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自炊とは、自分で書籍を撮影・スキャンすることで電子化する行為を指す俗語である。一般的にはデジタイズが正しい言葉となる。
概要[編集]
元はゲームデータを複製するときの「吸いだし」が由来とされ、「自」分で「吸い」出すから自吸い→自炊と変化していったといわれている。もともとはファイル共有ソフトによる違法アップロード目的の自炊が多かったものの、iPadなどのタブレット端末やKindleなどの電子書籍リーダーが普及していったことで所有する図書の自炊を試みる人が増えていった。
紙や写真のスキャンとは違い、本のスキャンには手間と技術が必要になる。一般的なフラッドヘッドスキャナは見開きによるスキャンが可能であるが、見開き毎にめくってスキャンする必要があるため手間がかかる。本の見開きスキャンに対応したブックスキャナは楽にスキャンできるものの高価である。ドキュメントスキャナはフィーダー(自動給紙)があるため、ボタン一つで両面スキャンが可能であるが、本の裁断が必要になる。このため、本の裁断やスキャンを行う「自炊代行業者」が出現し、社会問題となった。
自炊代行業者[編集]
本の裁断や高価なブックスキャナをもたない人のために登場したのが自炊代行(スキャン代行)業者である。自らが所有する本を電子化する行為は問題視されない(本がもったいないなどの意見を除く)が、スキャン代行は著作権における私的使用を目的とした複製(著作権法第30条)を逸脱する行為であり、実際に作家が代行業者を訴えた裁判ではスキャン業者による複製は私的複製と解釈することはできないとの判断がなされている。
現在の自炊に関係する業者は裁断のみを行う本の分解代行や自炊スペース(レンタルルーム)の貸出サービスなどが残っている程度である。