聖女の魔力は万能です

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聖女の魔力は万能です
ジャンル異世界転生・ファンタジー・恋愛
著者橘由華
イラスト珠梨やすゆき
出版社KADOKAWA
レーベルカドカワBOOKS
巻数既刊6巻(2020年10月現在)

聖女の魔力は万能です』(せいじょのまりょくはばんのうです)は、日本ライトノベル作品。作者は橘由華、イラストは珠梨やすゆき。2016年4月29日から『小説家になろう』で、「タチバナ」という名義で連載を開始した。翌年の2017年2月10日には、大手出版社KADOKAWAのWeb小説レーベルカドカワBOOKSから単行本化され[1]、2017年9月8日には第2巻が発売された[2]。また、漫画化もされている。

HP・MP・レベル・魔法を含むスキルなどが数値化されて確認できる異世界に20代のOLが召喚され、聖女の魔力で無双するという異世界転移もの。また、女性向けの恋愛小説としての一面ももち、『小説家になろう』上では「恋愛」ジャンルにも属している。

ストーリー[編集]

本作品は、HP・MP・レベル・魔法を含むスキルなどが、数値化されて確認できる異世界での物語である。

第1巻[編集]

スランタニア王国では数世代(100~150年?)に一度の割で、国が瘴気に覆われ魔物が大量発生する時代がやって来る。これまではそのたびに、魔を祓う力を持つ「聖女」が現れ、国を救ってきた。数百年前、一度だけ聖女が現れなかった時は、儀式により聖女を召喚した。今回、ジークフリート王の時代、再び聖女が現れず、王と重臣たちはやむなく伝説の「聖女召喚の儀」を行う。

聖女召喚の儀は成功するが、これまで常に一人だった聖女が、なぜか二人召喚された。日本の20代OL・小鳥遊聖と、女子高生・御園愛良であった。ところが、儀式を取り仕切っていた第一王子は愛良しか目に入らず、聖をその場に放置してしまう。勝手に召喚された上のこの扱いに、聖は激怒した。この国を出ようと考えた。しかし実際は行く当ても無く、彼女は王宮に留まることになる。

聖は趣味のハーブ栽培を生かすつもりで、王宮の「薬用植物研究所」にて、セイと名乗って働き始めた。ところが彼女は本物の聖女であり、その後間もなく「聖女の力」が発現し始めてしまう。研究所の薬草でHP回復ポーションを作ることを学べば、MPの多さから、一般人に比べ桁違いの量を作ることができ、その上通常のポーションの5割増しの効果があった。

召喚から三ヶ月、王国の第三騎士団がサラマンダーにより大きな被害を受けるが、彼女の作った下級・中級ポーションで回復し、最も重症だった団長アルベルト・ホークも上級ポーションで全快する。その三ヶ月後、アルベルト・ホークより魔法が付与された髪飾りをプレゼントされたセイは、「魔法付与」に興味を持ち、所長を通じて頼み込む。本人は知らなかったが、この時セイが行った魔法付与は、彼女以外の誰にも不可能なレベルであった。

召喚後七ヶ月、セイは召喚直後に別れたアイラの噂を聞く。彼女は王立学園にて、聖女として第一王子に庇護されながら、レベル上げを行っていた。

セイはステータスにより、自分が聖女だと自覚しているが、召喚時のわだかまりから、それを明かすつもりは無い。しかし、再度の魔物討伐で負傷した第二・第三騎士団の見舞いに行った時、片腕を失った騎士を見捨てることが出来ず、回復魔法で全快させてしまう。他の騎士たちもすべて全快させた結果、彼らから聖女として崇拝されることになった。

第2巻[編集]

セイは宮廷魔道師団にて「鑑定」を受けることになった。聖女召喚の儀で無理をし過ぎて昏睡状態だった、宮廷魔道師団長ユーリ・ドレヴェスが目を覚ましたためである。王国で「人に対する鑑定」が可能なのは彼一人で、それまでしたくても出来なかったのだ。ところが鑑定魔法は失敗に終わる。セイの方が師団長より「基礎レベル」が高かったためである。しかし師団長は直後に、セイの魔力が常人とは質が違うことを確認し、彼女が聖女だと確信していた。

三日後、セイは国王や重臣たちから、公的な謝罪を受け恩賞を受け取ることになる。その席で「我々に出せる物なら何でも出す」と言われるが、彼女が望んだのは、「禁書庫の閲覧許可」と、「魔法やその他必要なことについて、教えを受けること」であった。

王宮での、魔道師団長の指導はかなりスパルタだったが、セイにとってはそうでもない。一方である日、マナーの指導の一環として、リズことエリザベス・アシュレイのお茶会に参加することになる。そこで、それまで知らなかったことをいくつか知ることになった。

召喚から九ヶ月あまり、セイは「西の森での魔物討伐」に、回復要員として参加することになる。第二騎士団と第三騎士団に、宮廷魔道師団も加わっての大規模な討伐だったが、予想外のものに遭遇する。森の最深部に黒い沼のような瘴気の塊が有り、そこから次々と魔物が生まれていたのだ。数が多過ぎて一旦引こうとするが、魔物たちに気付かれてしまう。包囲され、全滅しかねない状況に追い込まれる。しかしホーク騎士団長がピンチに陥った時、セイの中から金色の魔力が溢れ出す。それは魔物や瘴気の沼を呑み込むと、一瞬ですべてを消し去った。聖女が使うという、伝説の広域浄化魔法にほかならなかった。

セイが聖女であることがはっきり証明され、セイ自身もそれを受け入れた直後、王宮でちょっとした騒動が起こる。第一王子カイルは、アイラを聖女にしようと邁進し過ぎた結果、周囲と軋轢を起こし、問題視されていた。それについてカイルとリズが言い争っていたのだ。単なる口論ならともかく、カイルがセイを「偽者の聖女」呼ばわりしたのが、いかにもまずかった。このことが国王の耳に入り、カイルはついにアイラから引き離され、謹慎を命じられてしまう。

アイラ自身は、カイルの弟レイン王子の庇護下に置かれることになり、リズが世話役となった。リズの奮闘により、王立学園の少女たちとも、聖女であるセイとも、ようやくうち解けられたのだった。

第3巻[編集]

西の森から帰って以来、セイは『聖女の術』を一度も使えていなかった。あれこれ試行錯誤してみるものの、自分の意志では発動できず、本人も周囲も焦り気味。

そんな中、王都周辺での魔物の大量発生が無くなったため、セイは第三騎士団と共に、地方へ魔物討伐に出向くことになる。まず向かうことになったのが、『薬草の大産地』にして『薬師の聖地』として知られるクラウスナー領。ここ数年来、薬草の収穫が大幅に落ち込み、このままではポーションの供給に、国家レベルで差し障りが出るという政治的判断であった。

クラウスナー領に着いたセイ。薬草の大産地にして薬師の聖地ということで、この地の薬師に話を聞けないかと申し入れると、あっさりと許可が出る。実はクラウスナー側には、ある思惑が有った。クラウスナー領が薬草の大産地にして薬師の聖地なのは、遠い昔のある女性のおかげだったのだ。

領主の娘にして天才的な薬師、なおかつ『聖女』でもあった彼女は、聖女の力で畑を『祝福』することで、クラウスナー領を薬草の大産地に変えたのである。しかしそれはもう何百年も前のことで、近年になって祝福の効果が切れ、薬草が育たなくなったのだ。『当代の聖女であるセイに、もう一度薬草畑を祝福してもらうこと』。それがクラウスナー側の真の狙いだったのである。その目的のため、領主ダニエル・クラウスナーと薬師の長であるコリンナは、クラウスナー領の最高機密である『薬師様の日記』を、セイに読ませることにする。

薬師様の日記を読んで、『祝福』が『聖女の術』であることはすぐ判った。しかし、いくら読んでみても「聖女の術を発動する方法」は見つからない。気分転換にと散歩に出たところで、魔物討伐帰りの、クラウスナー領の傭兵団と出くわす。傭兵団の負傷者を回復魔法で治療する中、第三騎士団にも多数の負傷者が出たと聞いたセイ。慌てて騎士団の待機所へと駆けつける。死者はいないということだったが、アルベルト・ホーク騎士団長が頭から血を流しているのを見て青くなる。ところがその途端、胸の奥から金色の魔力が溢れ出し……。光が弾けた後には、負傷者はすべて完治していた。明らかな『聖女の術』だった。

なぜ『聖女の術』が発動できたのか? セイがそれを考えて、たどり着いた事実は、とんでもないものだった。ホーク騎士団長のことを考えると、術が発動できることが判ったのだ。(セイ自身は気付いていないが、『薬師様の日記』の内容と考え合わせると、聖女の術は、『自分にとって最も大切な男性』のことを考えると発動できるらしい。)

登場人物[編集]

詳細は「聖女の魔力は万能ですの登場人物一覧」を参照

セイ・タカナシ(小鳥遊 聖)
声 - 石川由依
主人公。日本ではOL、異世界では聖女。
アルベルト・ホーク
声 - 櫻井孝宏
スランタニア王国第三騎士団団長。
ヨハン・ヴァルデック
声 - 江口拓也
スランタニア王国薬用植物研究所所長。
ジュード
声 - 八代拓
スランタニア王国薬用植物研究所の研究員。
御園 愛良(ミソノ アイラ)
声- 市ノ瀬加那
セイと一緒に召喚された。
カイル・スランタニア
声 - 福山潤
スランタニア王国の第一王子である15歳の少年。
エリザベス・アシュレイ
声- 上田麗奈
通称「リズ」。スランタニア王国の侯爵令嬢。14歳の美少女。
エアハルト・ホーク
声 - 梅原裕一郎
スランタニア王国宮廷魔道師団の副師団長。アルベルト・ホークの次兄。
ドミニク・ゴルツ
声 - 加藤亮夫
マリー
声 - 磯部万沙子
ヴォルフ
声 - 熊谷健太郎
ジークフリート・スランタニア
声 - 山野井仁
スランタニア王国の国王。
レイン・スランタニア
声 - 市川蒼
スランタニア王国の第二王子。
ユーリ・ドレヴェス
声 - 小林裕介
スランタニア王国宮廷魔道師団の師団長。
ニコル・アードラー
声 - 高野麻里佳
ニキビで悩んでいた。
ダミアン・ゴルツ
声 - 石谷春貴
マルク・ヤーン
声 - 梶川翔平
アイラ母
声 - 川上彩
アイラ父
声 - 高橋伸也
コリンナ
声 - 小山茉美
レオンハルト
声- 日野聡
ダニエル・クラウスナー
声 - 高橋伸也
薬師様
声 - 大西沙織
セイラン
声 - 三木眞一郎
オスカー・ドゥンケル
声 - 逢坂良太
セイの商品を扱う商会のためにヨハンが紹介した商人。
フランツ
声 - 飛田展男
オスカーの同僚。
テンユウ
声 - 小林千晃稗田寧々(幼少期)
ザイデラ国の第十八皇子。
テンユウ母
声 - 新藤みなみ
テンジュン
声 - 浦和希
ヨーゼフ・ホーク
声 - 置鮎龍太郎
アシュレイ侯爵
声 - 村治学
ローラント・ヴァルデック
声 - 土田大
ヘルムート・ホーク辺境伯
声 - てらそままさき
アルベルトの父親。
クラウディア夫人
声 - 増田ゆき
ヘルムート・ホークの妻でアルベルトの母親。
ドレヴェス侯爵
声 - 辻親八
高官
声 - 高橋伸也
アニメ第1話登場。
騎士団員
声 - 兼政郁人
アニメ第1話登場。
高齢の高官
声 - 中博史
アニメ第1話登場。
青年士官
声 - 大西弘祐
アニメ第1話登場。
研究員
声 - 梶川翔平
アニメ第1話登場。
シェフ
声 - 大西弘祐梶川翔平
アニメ第2話登場。
騎士団員
声 - 左座翔丸
アニメ第2話登場。
研究員
声 - 兼政郁人
アニメ第2話登場。
魔道師
声 - 宮崎遊
アニメ第3話登場。
騎士団員
声 - 兼政郁人梶川翔平
アニメ第3話登場。
騎士
声 - 大塚剛央外崎友亮
アニメ第4話登場。
患者
声 - 宮崎遊内田修一
アニメ第4話登場。
男性貴族
声 - 左座翔丸
アニメ第4話登場。
女性貴族
声 - 池田朋子
アニメ第4話登場。
宮廷の男性
声 - 宮崎遊
アニメ第5話登場。
宮廷の女性
声 - 村上まなつ
アニメ第5話登場。
侍女
声 - 菱川花菜
アニメ第5話登場。
ダンス講師
声 - 高橋伸也
アニメ第6話登場。
メイド
声 - 村上まなつ菱川花菜
アニメ第6話登場。
女子
声 - 冨岡美沙子湯浅かえで
アニメ第7話登場。
商人
声 - 兼政郁人
アニメ第7話登場。
兵士
声 - 大西弘祐
アニメ第7話登場。
司書
声 - 宮崎遊
アニメ第8話登場。
騎士団員
声 - 梶川翔平左座翔丸
アニメ第8話登場。
文官
声 - 高橋伸也大西弘祐
アニメ第9話登場。
魔導師
声 - 左座翔丸
アニメ第9話登場。
薬師
声 - 宮崎遊大西弘祐
アニメ第10話登場。
傭兵
声 - 梶川翔平
アニメ第10話登場。
魔導師
声 - 梶川翔平左座翔丸
アニメ第11話登場。
第2騎士団員
声 - 梶川翔平
アニメ第12話登場。
魔導師
声 - 宮崎遊
アニメ第12話登場。
傭兵
声 - 内田修一
アニメ第12話登場。
研究員
声 - 大野智敬新井拓人
アニメ第2期1話登場。
メイド
声 - 中井美琴柴田芽衣阿部菜摘子田中那実
アニメ第2期1話登場。
男性店員
声 - 高橋伸也
アニメ第2期1話登場。
商人A、B、C、D
声 - 田島章寛堀井茶渡土井正昭佐治和也
アニメ第2期2話登場。
少年
声 - 堀金蒼平
アニメ第2期2話登場。
船員
声 - 大野智敬
アニメ第2期2話登場。
文官
声 - 宮崎遊
アニメ第2期3話登場。
高官
声 - 高橋伸也
アニメ第2期3話登場。
メイド
声 - 後藤彩佐小山内怜央和久野愛佳牧野ゆう
アニメ第2期3話登場。
研究員
声 - 大野智敬
アニメ第2期4話登場。
侍従
声 - 入江直樹豊島修平
アニメ第2期4話登場。
典礼官
声 - 水越健
アニメ第2期4話登場。
侍女
声 - 飯田ヒカル(放送時のEDクレジットでは「飯田ひかる」と誤記)、小山内怜央中井美琴鳴海まい
アニメ第2期4話登場。
侍従
声 - 入江直樹
アニメ第2期6話登場。
騎士
声 - 大野智敬
アニメ第2期7話登場。
伝令
声 - 深町寿成
アニメ第2期7話登場。
声 - 小林康介
アニメ第2期7話登場。
騎士
声 - 大野智敬土田玲央内田修一
アニメ第2期8話登場。
鉱夫
声 - 福西勝也高橋伸也佐治和也鷲見昂大
アニメ第2期8話登場。
魔道士
声 - 峰健一
アニメ第2期8話登場。
護衛団員
声 - 吉田丈一郎
アニメ第2期8話登場。
魔物
声 - 安部川賢治郎
アニメ第2期8話登場。
鉱夫
声 - 福西勝也
アニメ第2期9話登場。
騎士
声 - 大野智敬土田玲央内田修一朝霧友陽
アニメ第2期9話登場。
アンデット猪
声 - 江頭宏哉
アニメ第2期9話登場。
騎士
声 - 深町寿成
アニメ第2期10話登場。
魔導士
声 - 大野智敬
アニメ第2期10話登場。
侍女
声 - 新藤みなみ
アニメ第2期10話登場。
店主
声 - 伊原正明
アニメ第2期10話登場。
女将
声 - 本間沙智子
アニメ第2期10話登場。
執事
声 - 宮本誉之
アニメ第2期11話登場。
貴族令嬢
声 - 川井田夏海新藤みなみ森嶋優花
アニメ第2期11話登場。
研究員
声 - 大野智敬
アニメ第2期11話登場。
騎士
声 - 大野智敬、土田玲央、内田修一、
アニメ第2期12話登場。
守衛
声 - 朝霧友陽
アニメ第2期12話登場。

用語[編集]

スランタニア王国
物語の舞台となる、異世界の王国。中世ヨーロッパ風の国で、魔法が存在する。人口や立ち位置など、詳細は未だ語られていないが、決して弱小国ではないようである。
なお、この国の料理はレベルが低く、日本人の口には合わない。現在はセイの提供したレシピで改善されつつあるが、当初はあまりの不味さに、セイもアイラも意図せずダイエットできたほど。
瘴気
いわゆる『悪しき陰の気』。スランタニア王国では、どこででも発生する。森の奥や洞窟など、人の住まない暗い場所に溜まり易く、一定の濃度を超えると魔物へと変貌し、周囲に害をなす。
瘴気が濃いほど発生する魔物も強くなるが、魔物を倒せば周辺の瘴気は薄くなり、それゆえ魔物を倒し続ければ、周囲への害は防げる。
しかし数世代に一度の割合で、魔物を倒す速度をはるかに超える勢いで、瘴気が濃くなることがある。そのような時代には、国内に聖女となる乙女が現れ、国を救ってきた。
聖女
過去、スランタニア王国で魔物が大量発生するたびに、魔を祓い、国を救ってきた乙女たちのこと。彼女たちはそれゆえ崇められ、【聖女】と呼ばれた。
彼女ら特有の、極めて強力な魔法を使うことができ、あっという間に魔物が消滅するとされる。ただそこにいるだけでも、周辺の瘴気を浄化するとされる。
なお普通、魔物が大量発生する時代が来ると自然に現れる。しかし現れなかったことが今回を含めて二度有り、そのたびに【聖女召喚の儀】を行う羽目になった。
聖女の魔力は他のいかなる者とも質的に異なり、聖属性魔法を使う際は金色の粒子が出現するのが特徴。
王国に伝わる記録によれば、これまでは一度に一人しか現れたことがない。しかし今回の【聖女召喚の儀】では、なぜか二人召喚されることになった。
魔を祓う以外にも、高度な魔法付与など様々な能力を持つ。しかし、その強大で有意義過ぎる能力ゆえ、歴代の国王や上層部は悪用されることを恐れ、聖女の記録をごくわずかしか残さなかった。
聖女召喚の儀
はるか彼方から、聖女となる乙女を召喚する儀式。スランタニア王国で過去一度だけ有った、『どれだけ瘴気が濃くなろうとも聖女が現れなかった』時代に、当時の賢者たちが総力を結集して編み出したもの。
魔法としての難易度も非常に高く、必要な魔道師やアイテムも多く、通常なら行うこと自体困難、かつ割に合わない代物。しかし今回、そのようなことは言っていられなかった。
聖女の術
聖女のみが使える、超強力な広域魔法。
その効果は主に浄化で、数百~数千の魔物を一度に消滅させたり、魔物を生み出す黒い沼(おそらく瘴気そのものの、高濃度の塊)を丸ごと消し去ったり、が可能。
聖女がこの術を使う時は、聖女自身の身体から魔力が金色の靄となって溢れ出し、それが呑み込んだ範囲をすべて浄化する。光が弾け、それが消えた時には、呑み込まれた魔物も瘴気もすべて消えている。
浄化以外にも、大量の魔物によって焦土と化した森をよみがえらせたり、百人近い怪我人を一度に完治させたり、土壌に活力を与えて普通は栽培できない植物を育つようにしたり、といったことも可能である。
ただし、浄化以外の効果は一般には知られていない。
薬用植物研究所
スランタニア王国の、王宮の庭、その一角にある国立研究所。薬草栽培の研究と、薬草から製造されるポーションの研究開発を、主に行っている。セイの現在の職場。
ステータス
その人間の、能力や適性を表す数値。 職業らしきものも表示される。通常は本人しか見ることが出来ないが、極めて稀に、他人のステータスを『鑑定』出来る者も存在する。
聖属性魔法
いわゆる 『回復』 や 『浄化』、戦闘時の支援などを行う魔法。歴代の聖女たちは皆、この魔法に長けていたとされる。セイは当初から、この魔法のスキルを『無限大』のレベルで保持していた。
魔法付与
宝石や鉱石などを素材に、様々な魔法の効果を付与すること。属性魔法のスキルがなければ行えず、付与できる効果も、行う者の能力次第。攻撃力や防御力を上げる、いわゆる支援系の効果を付与するには、聖属性魔法のスキルが必要。
魔法を付与した『核』は、通常は装身具などに埋め込んで用いられる。そのような装身具は、当然、そうでない物よりずっと高価になる。また、『核』にいかなる効果が付与されているのかは、鑑定魔法を使わねば判明しない。
鑑定魔法
マジックアイテムなどのステータスを『視る』魔法。使える者が極端に少なく、宮廷魔道師団にも数人しかいない。魔道師として最高レベルなら『人』のステータスも視られるが、それが出来るのは現王国ではただ一人、宮廷魔道師団の団長のみ。
生活魔法
日常のちょっとしたことを行うための、ごく初歩的な魔法。この異世界では、事実上誰でも使える。ゆえに生活魔法しか使えない者は、魔法使いとはみなされない。

単行本[編集]

  1. 2017年2月10日発売 ISBN 978-4-04-072185-9 C0093
  2. 2017年9月8日発売 ISBN 978-4040723662

漫画[編集]

コミックウォーカーでウェブ漫画が連載されている。作画は藤小豆

テレビアニメ[編集]

2021年4月から6月までSeason1が放送。2023年10月から12月までSeason2が放送。

各話リスト[編集]

話数 サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 作画監督 総作画監督
Season 1
Episode 01 召喚 井畑翔太 石川雅一、大村将司、synod 石川雅一
Episode 02 親交 渡航 井畑翔太 胡蝶蘭あげは 松本麻友子、井出直美、大村将司、Kim Suho、Jeong Jinyeong 松本麻友子、井出直美
Episode 03 王都 さがら総 松本麻友子、井出直美、西島圭祐、加藤弘将、大村将司
Mubon Hyeong Jun、Jeon Hyun Jin、Ryu Joong Hyeon
Kim Ji Eun、Kim Min Hee
松本麻友子
井出直美
石川雅一
Episode 04 奇跡 王雀孫 井畑翔太 Mubon Hyeong Jun、Jeon Hyun Jin、Ryu Joong Hyeon
Kim Ji Eun、Kim Min Hee、Kim Jongbeom、Jeong Jinyeong
Song Jinyeong、宮澤努
Episode 05 鑑定 清水空翔 胡蝶蘭あげは Mubon Hyeong Jun、Jeon Hyun Jin、Ryu Joong Hyeon
Kim Ji Eun、Kim Min Hee、宮澤努
Episode 06 淑女 井畑翔太 胡蝶蘭あげは
井畑翔太
寒川歩、和田清美、米澤怜美、佐藤史暁、Jeong Jinyeong
Kim Suho、Kim Jongbum
Episode 07 章間 渡航 玉木慎吾 Mubon Hyeong Jun、Jeon Hyun Jin、Ryu Joong Hyeon
Kim Ji Eun、Kim Min Hee
Episode 08 覚醒 さがら総 井畑翔太 Mubon Hyeong Jun、Jeon Hyun Jin、Ryu Joong Hyeon
Kim Ji Eun、Kim Min Hee、Kim Suho、Kim Myoungsim
Episode 09 聖女 渡航 清水空翔 胡蝶蘭あげは 米澤怜美、和田清美、寒川歩、松下純子、佐藤史暁
Mubon Hyeong Jun、Jeon Hyun Jin、Ryu Joong Hyeon
Kim Ji Eun、Kim Min Hee、One Order
Episode 10 日記 さがら総 玉木慎吾 Mubon Hyeong Jun、Jeon Hyun Jin、Ryu Joong Hyeon
Kim Ji Eun、Kim Min Hee、Kim Suho、Kim Myoungsim
玉木慎吾
Episode 11 窮地 渡航 井畑翔太 Mubon Hyeong Jun、Jeon Hyun Jin、Ryu Joong Hyeon
Kim Ji Eun、Kim Min Hee、本田辰雄、宮澤努、井畑翔太
Episode 12 帰還 Mubon Hyeong Jun、Jeon Hyun Jin、Ryu Joong Hyeon
Kim Ji Eun、Kim Min Hee、Kim Suho、Song Jinyeong
Lee Seongjae、本田辰雄、玉木慎吾
Season 2
Episode 01 商会 井畑翔太 Ryu Joong Hyeon、Kim Myeongsim 石川雅一
松本麻友子
井出直美
本多美乃
Episode 02 異国 渡航 井畑翔太 胡蝶蘭あげは 八幡佑樹、諸石康太
Mubon Hyeong Jun
Ryu Joong Hyeon
Jeon Hyun Jin
Song Jinyeong
Kim Nanum
Kim Myeongsim
Episode 03 式典 王雀孫 玉木慎吾 本田辰雄、八幡佑樹
Mubon Hyeong Jun
Ryu Joong Hyeon
Jeon Hyun Jin
石川雅一
松本麻友子
井出直美
本多美乃
渋谷秀
Episode 04 皇子 さがら総 草川啓造 Mubon Hyeong Jun
Ryu Joong Hyeon
Jeon Hyun Jin
Kim Nanum
Kim Myeongsim
石川雅一
松本麻友子
井出直美
本多美乃
Episode 05 目的 Mubon Hyeong Jun
Ryu Joong Hyeon、Jeon Hyun Jin
Episode 06 天佑 八幡佑樹、Mubon Hyeong Jun
Ryu Joong Hyeon、Jeon Hyun Jin
Episode 07 幕間 渡航 井畑翔太 胡蝶蘭あげは 諸石康太
Mubon Hyeong Jun
Ryu Joong Hyeon
Jeon Hyun Jin
Episode 08 辺境 王雀孫 大村将司
井畑翔太
八幡佑樹、山本祐仁、柴野美奈
Kim Shin-Woo、Park Su-Bok
Lee Sungjae、Song Jinyoung
石川雅一
松本麻友子
井出直美
本多美乃
渋谷秀、小原充
Episode 09 終幕 井畑翔太 追崎史敏 八幡佑樹、山本祐仁、柴野美奈
Lee Seongjae、Jang Sangmi
Yoon Seunghyun
Kim Sungbum、金信友、朴守福
Episode 10 思慕 渡航 草川啓造 山本祐仁、本田辰雄
Mubon Hyeong Jun
Ryu Joong Hyeon
Jeon Hyun Jin
小原充
井出直美
Episode 11 観劇 さがら総 清水空翔 胡蝶蘭あげは 山本祐仁、八幡佑樹、柴野美奈
Kim Shin-Woo、Park Su-Bok
井出直美
小原充
石川雅一
松本麻友子
本多美乃
渋谷秀
Episode 12 Blessing 渡航 草川啓造
追崎史敏
井畑翔太
胡蝶蘭あげは
井畑翔太
山本祐仁、八幡佑樹、柴野美奈
杉山直輝、李周鉉
Mubon Hyeong Jun
Ryu Joong Hyeon
Jeon Hyun Jin、金信友
朴守福、葛玲、徐延文、常州
井畑翔太
石川雅一
松本麻友子
井出直美
本多美乃
渋谷秀

脚注[編集]

注釈[編集]

出典[編集]

外部リンク[編集]