笛吹川
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笛吹川(ふえふきがわ)とは、山梨県の甲府盆地東部を流れる河川である。
概要[編集]
奥秩父連山から始まり、甲西町で釜無川と合流するまでの44.6キロにわたり、甲府盆地の東をほぼ縦断して流れている。富士川の支流に当たる川で、子(ね・北)に発し酉(とり・西)に向かって流れるので子酉川(ねとりがわ)ともいわれている。
この河川敷を利用して色々な果樹栽培が行われており、山梨県内の広大な果実郷が出来上がっている。川沿いにはサイクリングロードが整備され、河岸では花火大会も行われる。毎年7月・8月には夏の風物詩である鳥飼いの実演もある。
笛吹市の市名はこの川に由来している。
笛吹川に纏わる民話[編集]
昔、井沢(三富村)に母親と2人暮らしの権三郎という孝行息子がいた。幼い頃から権三郎は笛が大好きで片時も離さずにいたので、その腕前も大人が聞きほれるほど上手になっていた。ある日の晩に今までになかったような豪雨が続いたため子酉川が氾濫し、その濁流に権三郎母子が飲み込まれてしまったが、幼い権三郎は辛うじて流木にしがみついて助かった。母親は息子の名前を最後まで叫びながら激流に飲み込まれて行方知れずになった。そのため権三郎は毎日、母親が大好きだった曲を吹きながら探し回った。しかしある日、その捜索ですっかり疲労していた権三郎は川の深みで足を滑らし、そのまま川底へ沈んでしまった。それ以来、夜になると川の流れの中から美しい笛の音が聞こえてくるようになったという。村人たちはいつの間にか、この川を笛吹川と呼ぶようになったという。