硫黄島バイト

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硫黄島バイト(いおうとうバイト)とは、一般人は立ち入ることのできない東京都小笠原村硫黄島を勤務地としたアルバイトのこと。一般社団法人防衛弘済会が募集している。硫黄島の航空基地で、日米合同の軍事演習が行われる際に募集される。勤務者は、数週間硫黄島の自衛隊施設に泊まり込み、自衛官・アメリカ兵が利用する食堂で調理・給仕・清掃などを行う。

勤務先が軍事基地であるため、勤務体験は口外禁止とされているが、インターネット上には多くの体験談が掲載されている。

一般人が硫黄島に上陸できる貴重な機会であるため、年齢や職業を問わず様々な属性の者に人気がある。硫黄島の戦いの慰霊のためとして、数十年欠かさず参加する者もいるという。

「女性用の設備が整っていない」という理由から、2022年まで募集は男性に限られていた。[1]

概要[編集]

毎年5月や8月頃、20日程度の期間募集されている。年齢・学歴・性別不問だが、飲食業の経験が必須。日給9000円ほどだが、食費は自腹。

勤務者は、初日に航空自衛隊入間基地から輸送機に乗り組み、空路で硫黄島へ向かう。到着すると、まずトラックで島の北西部にある慰霊碑に向かい、手を合わせるという。[2]

その後、自衛隊の食堂施設に戻り、勤務先の振り分けが行われる。硫黄島でのバイトは、シフトによって1直(4:00~12:00)、2直(12:00~20:00)、3直(20:00~4:00)に分けられるという。また、調理師免許を持つ者は調理を、持っていない者は配膳などの仕事を言い渡されるという。[3]


硫黄島での滞在中、多くの勤務者を悩ませるのが娯楽の少なさである。テレビはBSしか映らず、またインターネットの速度が遅いため、ネット動画の再生は難しいという。[4]


一方で、島では戦跡の見学や自然観察など、珍しい経験の機会が多くある。島内には、二次大戦時に遺棄されたままの兵器や地下壕が、未だに多く存在する。また、マンゴーやパパイヤをはじめとした熱帯植物が自生しており、少量であれば採集も許されるという。

日数にすればわずか数週間のバイトではあるが、先の大戦での戦没者の存在や、現在の日米関係について実際に見て学ぶことで、人生観に大きな影響を受ける参加者が少なくない。

参考文献[編集]