演劇入門

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演劇入門』(えんげきにゅうもん)は、文芸評論家福田恆存が著した評論1981年昭和56年)発表[1]

沿革[編集]

10代より評論劇作を開始した福田恆存1912年生)は、『我国新劇運動の過去と現在』を発表するなど、新劇運動にも関心を示していた。支持を表明する築地座(1932年結成)の戯曲公募にも応じ、処女作『或る街の人』が佳作に選ばれた事で、友田恭助らの面識を得る[2]

文壇へのデビュー後には、岸田國士が主宰する雲の会1950年結成)に参加し[3]シェイクスピア悲劇ハムレット』(1955年初演)の翻訳演出も手掛ける[4]1963年からは、財団法人現代演劇協会の理事長を務め、協会附属の劇団雲劇団欅、更には劇団昴を主宰する[5]

1980年度日本芸術院賞の受賞の後、1981年4月5日に演劇論集が集成した。

私は生涯に一度、私の演劇観を具体的に述べ、一冊にまとめておきたいと思つてゐた。また種々の演劇学校やその他で教科書に使ひたいが、絶版の分をも含め、かつそれに欠けてゐた演技論を加へて、一冊の本にして貰へぬかといふ希望があり、『せりふと動き』が丁度その演技論に当るので、それを待つて一冊にまとめることにした。 — 福田恆存『演劇入門』あとがき[6]

1981年(昭和56年)、『演劇入門』(1981年6月、玉川大学出版部)が上梓する。各評論は既刊からも採録された。

  • 『劇場への招待』(1957年11月、新潮社
  • 『私の演劇白書』(1958年12月、新潮社)
  • 『私の演劇教室』(1961年10月、新潮社)
  • 『せりふと動き』(1979年11月、玉川大学出版部)

2020年(令和2年)には、内容を追加した『演劇入門 増補版』(2020年8月、中央公論新社)が中公文庫より刊行されている[7]

  • 『醒めて踊れ』(1976年8月、新潮社)

内容[編集]

評価[編集]

書誌情報[編集]

  • 福田恆存 『演劇入門』 玉川大学出版部、1981年6月15日
  • 福田恆存 『演劇入門 増補版』 中央公論新社〈中公文庫〉、2020年8月21日。ISBN 9784122069282

脚注[編集]

出典[編集]

  1. 演劇入門』 玉川大学出版部、1981年6月15日
  2. ミネルヴァ日本評伝選 福田恆存、2012年、川久保剛、ミネルヴァ書房、pp.18-23。
  3. 宮野江里加「「雲の会」論——文学立体化運動の再考」、『身体表象』第3巻、身体表象文化学会、2023年8月13日確認。
  4. 井上優「岩田豊雄の中のシェイクスピア--1955年 福田恆存演出『ハムレット』成立の一背景」、『西洋比較演劇研究』第19巻第1号、西洋比較演劇研究会、2020年、 23-37頁、 doi:10.7141/ctr.19.23ISSN 1347-2720NAID 130007825948
  5. 現代演劇協会年表 – 現代演劇協会 デジタルアーカイヴ”. onceuponatimedarts.com. 2023年8月13日確認。
  6. 演劇入門、福田恆存、1981年、p.239。
  7. 演劇入門 -福田恆存 著|文庫|中央公論新社” (日本語). www.chuko.co.jp. 2023年8月13日確認。

参考文献[編集]

  • 福田恆存 『劇場への招待』 新潮社1957年11月25日
  • 福田恆存 『私の演劇白書』 新潮社、1958年12月10日
  • 福田恆存 『私の演劇教室』 新潮社、1961年10月25日
  • 福田恆存 『せりふと動き −役者と観客のために−』 玉川大学出版部1979年11月30日
  • 福田恆存 『福田恆存全集 第6卷』 文藝春秋1988年3月1日。ISBN 4163634002
  • 福田恆存 『福田恆存全集 第7卷』 文藝春秋、1988年4月30日。ISBN 416363410X
  • 福田恆存 『福田恆存評論集 第11卷 (醒めて踊れ)』 麗澤大學出版會2009年1月20日。ISBN 9784892055515
  • 福田恆存 『福田恆存戲曲全集 別巻』 文藝春秋、2011年5月20日。ISBN 9784163641805

関連項目[編集]

外部リンク[編集]