機種依存文字

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

機種依存文字(きしゅいぞんもじ)とは、コンピュータにおいて文字を扱う場合、入力した端末と異なる端末やOSの機種で表示した場合に全く異なる表示や文字化けが発生する文字の総称である。環境依存文字や特殊文字とも呼ばれる。

概要[編集]

かつてのコンピュータはローカル環境のものが多く、標準化された文字コードにそれぞれのメーカーが独自に拡張した文字セットが登録されていた。また、ユーザが文字コードに収録されていない文字を外字として登録することができ、追加のフォントセットなどを購入しなくても特殊な文字を登録して使用することができていた。

しかし、1980年代後半にパソコン通信が盛んになってくるとこれらの拡張文字が異なるメーカーで表示できないという問題が表面化した。このころから機種依存文字という概念が形成されており、データのやり取りをする者の間ではこういった文字を避ける手段が講じられていった。

時代は下り、2000年代に携帯電話が普及すると絵文字も多く使われるようになっていった。しかし、それぞれのキャリアで独自に実装されていたため、キャリアを超えるメールの場合は異なる絵文字に変換されて表示されたり、そもそも表示されなかったりという問題が発生していた。そのため、各携帯キャリアは絵文字を送受信時に自動変換する機能を実装したものの完全再現に至ることは無かった。

フォントに由来する機種依存文字もあり、特に多いのはフリーフォントによる第二水準漢字の未収録である。無料である以上収録される文字が少ないのはやむを得ず、むしろ無料で有料フォント並みに収録されているフォントのほうがレアケースである。また、ひらがな特化やカタカナ特化、特殊文字特化といったフォントもあり、これらのフォントでは漢字やひらがなが収録されていなかったりすることも当たり前である。

代表格[編集]

この節には、一部のコンピュータや閲覧ソフトで表示できない文字が含まれています

機種依存文字の代表格としては①や❷などの丸囲み数字やⅤ、Ⅵなどのローマ数字、㎏や㏊のような単位記号や㌣、㌔などの組文字が挙げられる。また、半角カタカナも環境によっては文字化けの原因になることもあり、メールなどで使用しないように通達されることもあった。

現在[編集]

UTF-8が普及した現在、機種依存文字の代表格であった囲み数字や単位記号なども規格内コードとなり機種依存文字という概念は若年層を中心に風化しつつある。一方、システムによっては現在でも機種依存文字を弾くシステムやUTF-8に対応していないシステムも多く存在している。そのため、完全に機種依存文字の問題が消え去ったわけではない。また、台湾国旗の絵文字が特定の端末で表示されないようになっていることから、一種の環境依存文字ともいえる。

文字コードに起因する機種依存文字はほぼ解決されているものの、フォントに起因する機種依存文字は依然として存在している。

関連項目[編集]