林真理子

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林真理子(はやし まりこ、1954年4月1日ー )は、作家・エッセイスト。

人物[編集]

山梨県生まれ。本名・東郷真理子。山梨県立日川高等学校日本大学芸術学部文芸学科卒。コピーライターとして台頭し、1982年初の著書であるエッセイ『ルンルンを買っておうちへ帰ろう』が話題となり、一躍名をあげる。続けてエッセイ集を出し、84年には初小説『星に願いを』を刊行、同年『星影のステラ』『葡萄が目にしみる』で続けて直木賞候補。85年には「胡桃の家」で三度目の候補となり、85年下期「最終便に間に合えば」「京都まで」の短編二作で直木賞受賞。

1988年、『文藝春秋』に「いいかげんにしてよアグネス」を掲載、子連れ出勤をするアグネス・チャンに対して、有名人の甘えだと批判し、上野千鶴子らが反論して「アグネス論争」に展開した。林は、仕事と育児の両立は一般的には無理だと考えており、この論争以後、フェミニズムには背を向け、皇室や着物といった保守的な価値を志向するようになる。なお同評論は文藝春秋読者賞を受賞している。

1995年、柳原白蓮を描いた『白蓮れんれん』で柴田錬三郎賞を受賞。初期の林は、コピーライター上がりとか、タレントまがいと見られ、渡部直己などの文芸評論家や、坂本龍一からバカにされることが多かったが、本作で作家的地位を確立した。結婚して東郷姓となる。98年『みんなの秘密』で吉川英治文学賞を受賞。2000年から直木賞の選考委員を務める。2013年『アスクレピオスの愛人』で島清恋愛文学賞受賞、2019年(令和元年)のNHK大河ドラマ「西郷どん!」では原作を書下ろした。日本文藝家協会理事長に就任。2020年、菊池寛賞を受賞。

ほかに『ミカドの淑女』『着物の悦び』『本を読む女』『女文士』『不機嫌な果実』『美女入門』『下流の宴』『RURIKO』『正妻 慶喜と美賀子』など、映画化・ドラマ化されたものや実在の人物をモデルにしたもの、話題作が多い。斎藤美奈子は仮想敵で、斎藤が『文章読本さん江』で「文章読本」を揶揄した時にはすぐ『文章読本』を雑誌付録として書いたし、『紅一点論』で子供向け特撮の「紅一点」を斎藤が批判したのに対し『紅一点主義』を書いている。

2022年(令和4年)、田中英壽逮捕後の母校日大の紛擾を収めるため日大の理事長に就任した。