松崎昇
松崎 昇(まつざき のぼる、1954年[1] - )は、経済学者。健康科学大学健康科学部理学療法学科教授。
経歴[編集]
埼玉県生まれ[1]。1978年横浜国立大学経済学部卒業。1985年筑波大学大学院博士課程社会科学研究科経済学専攻単位取得満期退学。1986年同専攻研究生終了、上武大学経営情報学部専任講師。1994年同助教授[2]。1995年「経済学方法論と近代社会 : 宇野理論の拡充」で経済学博士(筑波大学)[3]。1996年同教授。2014年同大学ビジネス情報学部教授[2]。2020年11月時点で健康科学大学健康科学部福祉心理学科教授[4]。
人物[編集]
もともとはマルクス経済学、特に宇野経済学を研究していた。その後、研究分野は「経済学→社会科学→地歴観→現存七大文明論→東洋発新代論」と移っていたという[5]。
2010年頃のインタビューでは「地歴観という領野を切り拓」くに際し、「そのためには、わが国の位置づけに関して、(自らの内で)大きな転回も経なければなりませんでした」と述べている[5]。「先生の学生時代はどうでしたか」という問いに対しては「学部時代は運動をちょっと。大学院時代は勉強をさぼって山に行ってました」と答えている[5]。
論文「左翼の病理について」(『松山大学論集』第21巻第4号、2010年)では「私事にわたり恐縮であるが,私自身かつてはささやかな左翼の徒であった」「最後に再び私事で恐縮であるが,私の最終的な改心(回心)は,大学から大学院に進む春に,M.スピリドーノヴァ,A.バラバーノフ,A.シリガ,R.メドヴェーデフ等々を読んでであったように思う。それは衝撃的な読書体験であった」と述べている[6]。
所属学会は、日本社会学会、比較文明学会、International Society for the Comparative Study of Civilizations(国際比較文明学会)、人体科学会、日本国際政治学会、日本未来学会、経済理論学会。2005年時点で日本会議会員[1]。
論文「左翼の病理について」には「個々人の人権を守ろうといった主張は,途上国には有効な面があるかもしれないが,先進国には有害無益である」「核武装・国軍正常化,皇統拡充・華族復活,教育・マスコミ界正常化,治安強化・厳罰化,国家祭祀正常化・神道国教化等々が実現されなければ,わが心はとても安住できない。わが魂には未だ居所がない」などと書かれており[6]、この論文を紹介したツイートは500以上リツイートされた。その他の論文に「国民皆投資家制度の提唱―日本型SRIの考察―」(『上武大学経営情報学部紀要』第27号、2004年)、「新しい財政的国家観としての無税・最小限国家制度の推奨」(同、2005年)、「日本も核ミサイルを保有しなければならない―現在の日本にとって最も肝要な外交・軍事政策はなにか―」(同、2007年)などがある。
著書[編集]
単著[編集]
- 『西洋発近代の論理――社会科学の方法と体系』(社会評論社、1998年)
- 『日本が未来を拓く』(文芸社、1999年)
- 『西洋発近代からの卒業――総合的地歴観の提唱』(慧文社、2005年)
共著[編集]
- 『経済原論(2)』(小林彌六、三輪春樹、佐藤公俊、宮嵜晃臣、長谷部孝司共著、学文社[シリーズエコノミックスQ&A]、1987年)
訳書[編集]
- ロバート・アルブリトン著、永谷清監訳『資本主義発展の段階論――欧米における宇野理論の一展開』(山本哲三、石橋貞男、星野富一、吉井利真共訳、社会評論社、1995年)
分担執筆等[編集]
- 時永淑編著『古典派経済学研究 2』(雄松堂出版、1985年)