村と戦争 兵事係の証言
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村と戦争 兵事係の証言 (むらとせんそう へいじがかりのしょうげん)は桂書房から出版された書籍である。著者、黒田俊雄。1988年初版発行。
出版に至った経緯[編集]
富山県東礪波郡庄下村 (現砺波市)の村役場の兵事係で勤務していた職員の証言によって出版された。後にNHKによってドキュメンタリー番組、NHKスペシャル「赤紙が来た村~誰がなぜ戦争に送られたのか~」が製作された。
概要[編集]
大日本帝国憲法と兵役法では大日本帝国臣民の義務として兵役があり、17歳から40歳の男子が該当した。また徴兵のために市町村に「兵事係」を置いた。大きな市では独立した兵事係が置かれたが、庄下村のような小さな村では戸籍係と兼ねていた。兵事係の仕事は兵役対象者の家族構成、学歴、職業、勤務内容、性格を事細かく調査して編集することであった。証言者は庄下村で兵事係として村民の調査をしていた。兵事係のもう一つの仕事は兵役対象者に召集令状、いわゆる「赤紙」を交付することであった。よく郵便配達員によって交付されたと誤解されているが、実際は兵事係が本人に直接交付して受領書に分単位で交付日時を記し、兵事係がその受領書を役所に持ち帰って綴りに綴っておいた。これらの書類は永久保存とされていたが、太平洋戦争後、多くの自治体ではこれらの書類は焼却され、庄下村にも大日本帝国陸軍から焼却が命ぜられたが、この証言者はその命令に背き、一部を自宅に持ち帰って砺波市役所勤務の傍ら整理、保存していた。
資料の内容[編集]
西南戦争の頃から既に書類が作成されていた。