杉本苑子

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杉本苑子(すぎもと そのこ、1925年6月26日 - 2017年5月31日)は、日本の歴史小説作家。

人物[編集]

東京市牛込区生まれ。千代田女子専門学校(現武蔵野大学)、文化学院卒。文藝春秋に入社し、吉川英治に師事して歴史小説を書く。1962年、薩摩藩木曽川改修工事を描いた『孤愁の岸』で直木三十五賞を受賞、1977年『滝沢馬琴』で吉川英治文学賞受賞。1981年の橋田壽賀子オリジナル脚本の大河ドラマ「おんな太閤記」が、杉本が連載中の「影の系譜 豊臣家崩壊」から、秀吉の妹とその夫の名を、フィクションであるのに借用したことからNHKが謝罪して名を変える事件があり、NHKはその補償として杉本原作の「マダム貞奴」を元にした『冥府回廊』を原作に、川上音二郎川上貞奴、その愛人の福沢桃介、その妻の四人を軸にした大河ドラマ「春の波涛」を1985年に放送したが、これに対して『女優貞奴』の著者である山口玲子が自著の著作権侵害としてNHKを提訴し、NHKが勝訴する事件があった。

1986年、奈良時代の政争を描いた『穢土荘厳』で女流文学賞を受賞、1987年紫綬褒章受章、95年文化功労者、2002年、菊池寛賞受賞、文化勲章受章。

ほかに世阿弥元清を描いた『華の碑文』、近松門左衛門を描いた『埋み火』、本多正純を描いた『汚名』、『散華ー紫式部の生涯』などがある。