日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク
日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク(にほんぐんいあんふもんだい・かんさいねっとわーく)は、日本の市民団体。略称は関西ネット。慰安婦問題を解決するために2009年に結成された[1][2]。Record China、サーチナによれば、2008年の結成[3][4]。日本政府に対し謝罪や賠償を求める運動を行っている。
役員[編集]
共同代表[編集]
2010年7月時点では、田中ひろみ・奥田和浩・西村寿美子・方清子[5]。2012年8月時点では、西村寿美子・奥田和浩・方清子[6]。
主な報道[編集]
橋下徹と元慰安婦の面会中止[編集]
2012年8月24日、橋下徹大阪市長が「強制連行があったかどうかの確たる証拠はなかったというのが日本の考え方」と述べたことに対し、発言の撤回と謝罪を求める公開質問状を提出した[7]。また2013年5月17日に橋下市長が「慰安婦制度は必要だった」と発言したことに対し、同日夕方、市役所前で抗議活動を行い、24日に予定されている元慰安婦との面会の際に謝罪するよう求めた[8]。
橋下市長が軍による強制連行を否定する発言をしたことに対し、2012年9月24日、関西ネットのメンバーと元慰安婦の金福童が大阪市役所を訪れ、発言の撤回と謝罪を求める抗議文を提出した[9][10][11]。金は橋下に面会を申し入れ、橋下は当日不在であったが、元慰安婦との面会に前向きな姿勢を示した[12]。元慰安婦の金と吉元玉は関西ネットを通して2013年4月30日に再度面会を申し入れ、集会で証言を行うため5月17日に来日した[13][14]。2人は5月24日午前に橋下市長と市役所で面会する予定だったが、発言を撤回しない橋下市長に反発して面会の中止を決め、当日の朝に関西ネットを通して市に意向が伝えられた[14]。
当日午前、関西ネット関係者は市役所を訪れ、橋下市長を批判する声明を発表し、抗議文を市に提出した[14][15][16]。記者会見で、「被害者の胸痛む現実と歴史を、橋下市長の謝罪パフォーマンスと引き換えにすることはできません」などとする元慰安婦2人連名の声明文が発表され[14]、方清子共同代表は「橋下市長が仮に面会で謝罪したとしても、本心からではないのは明らかだ」と主張した[13]。同行してきた韓国挺身隊問題対策協議会の尹美香共同代表は「ハルモニたちは日本各地を回っているうちに橋下市長が発言を変えると期待していた」と話した[13]。大阪市の担当者は「今後、仮に再面会の申し入れがあっても、調整は難しくなるだろう」と話した[17]。
5月25日、橋下市長との面談を拒否した元慰安婦2人は、大阪市で開かれた関西ネット主催の集会で体験を語った[18][19]。翌5月26日、奈良県で開かれた関西ネットなどが主催の集会で体験を語った[20]。
その他の報道[編集]
- 韓国挺身隊問題対策協議会常任代表を務める尹美香の著書『20年間の水曜日』の日本語版を企画し、2011年8月に出版した[21]。
- 2013年2月13日、大阪府警公安第三課(過激派担当)は「在日特権を許さない市民の会」(在特会)側からの被害届を理由に、関西ネット事務所などに対して家宅捜査を行った。関西ネットは橋下徹大阪市長の慰安婦に関する発言を受け、前年9月23日に大阪市内で元慰安婦を招いて証言を聞く集会を開いた。この際に妨害活動を行っていた在特会メンバーが、負傷をしたとして被害届を提出していた。この件について関西ネットは2月22日、大阪市役所で記者会見をした後、大阪地裁に抗議文を提出した[22]。またアムネスティ・インターナショナル日本支部は「国や警察が、在特会が行っているような差別行為の扇動を助長してはならない」などとする声明を発表した[23]。
- 韓国籍の在日コリアンである共同代表の方清子は、朝鮮学校を支援する活動を行っているとして、駐大阪韓国領事館に旅券発給を拒否された。韓国挺身隊問題対策協議会は旅券発給を拒否したことを批判している[24]。
- 2013年9月11日、ソウルの在韓国日本大使館前で慰安婦問題をめぐる定例集会「水曜デモ」(水曜集会)を開催し、日本政府に代わって韓国の元慰安婦に謝罪した[2][3][4]。元慰安婦を応援するダンスを踊ったり、大使館前の少女像に花束を持たせたりもした[25]。
刊行物等[編集]
- 書籍『20年間の水曜日――日本軍「慰安婦」ハルモニが叫ぶゆるぎない希望』尹美香著、梁澄子訳、東方出版、2011年8月刊行。販売している。
- ドキュメンタリー映画『終わらない戦争』金東元監督、2008年制作。上映用DVDを貸し出している。
- パンフレット『橋下市長! 「慰安婦」問題の真実はこれです』2013年5月25日発行。販売している。
- パンフレット『ハルモニの希望こそ平和への道 戦争と女性の人権博物館」オープンを記念して』2012年9月23日発行。販売している。
出典[編集]
- ↑ 『ニュースレター No.1』.日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク、2011年6月11日
- ↑ a b 慰安婦:日本の市民団体「政府に代わり謝罪する」.朝鮮日報、2013年9月12日
- ↑ a b 「日本国民として韓国の元従軍慰安婦に謝罪」=日本市民団体が政府に代わって―韓国紙.Record China、2013年9月13日
- ↑ a b 慰安婦問題、「日本の民間団体」が政府に代わり韓国に謝罪=中国.livedoorNEWS、2013年9月13日
- ↑ シベリア特措法に関する共同声明(第1次集約).平和フォーラム、2010年7月10日
- ↑ 8月は、日本軍「慰安婦」問題=軍事性奴隷制度を考える月に ⑨.Women's Action Network、2013年8月22日
- ↑ 「慰安婦問題発言、撤回求め質問状 橋下氏へ市民団体 【大阪】」『朝日新聞』2012年8月24日付夕刊
- ↑ 「橋下氏、重ねて米批判 慰安婦発言巡り 「囲み取材やめる」 【大阪】」『朝日新聞』2013年5月18日付朝刊
- ↑ 元従軍慰安婦ら、橋下市長に抗議 強制連行発言で.日本経済新聞、2012年9月24日
- ↑ 橋下市長、元慰安婦と面会の意向 「直接聞く」.47news、2012年9月25日。
- ↑ 「元慰安婦ら撤回要求 橋下・大阪市長「証拠を」発言 【大阪】」『朝日新聞』2012年9月25日付朝刊
- ↑ 「元慰安婦と面会、前向きな姿勢 橋下・大阪市長 【大阪】」『朝日新聞』2012年9月25日付夕刊
- ↑ a b c 元慰安婦:橋下氏と「会うこと自体衝撃」 中止理由説明.毎日新聞、2013年5月24日
- ↑ a b c d 橋下発言で「会うのが嫌に」…元慰安婦面会せず.読売オンライン、2013年5月24日
- ↑ 橋下氏との面会中止…元慰安婦「パフォーマンス」と反発.スポニチ、2013年5月24日
- ↑ 橋下市長と面会「価値ない」元慰安婦ドタキャン.スポニチ、2013年5月25日
- ↑ 橋下氏との面会を中止 元慰安婦「会いたくない」.日本経済新聞、2013年5月24日
- ↑ 大阪で「慰安婦」被害者の証言集会.朝鮮日報、2013年5月27日
- ↑ 橋下「慰安婦」差別を許さない.かけはし2013年6月17日号
- ↑ 「「血のにじむような経験」 元慰安婦、集会で証言 /奈良県」『朝日新聞』2013年5月27日朝刊奈良版
- ↑ 「慰安婦の勇気、忘れない 初証言20年、きょう大阪で出版記念集会 【大阪】」『朝日新聞』2011年7月31日付朝刊
- ↑ 村上恭介.極右「在特会」の「被害届」に便乗して市民団体を強制捜索――大阪の公安が相次ぎ運動弾圧.週刊金曜日ニュース、2013年3月15日
- ↑ 大阪府警、「慰安婦」関連団体を家宅捜索.朝鮮新報、2013年2月25日
- ↑ 駐大阪韓国領事館 朝鮮学校支援を理由に 旅券発給拒否.韓統連大阪ホームページ、2013年3月30日
- ↑ 日本の市民団体「慰安婦おばあさん、頑張って下さい」.中央日報、2013年9月12日
参考文献[編集]
- 橋下氏との面会を中止 元従軍慰安婦「無理」.日本経済新聞、2013年5月24日
- 元慰安婦の面会ドタキャン、そのわけは….MSN産経west 、2013年5月24日
- Eric Johnston.Ex-sex slaves won’t meet Hashimoto.The Japan Times、2013年5月25日