引野口事件

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引野口事件(ひきのぐちじけん)とは、2004年3月29日に起きた放火殺人事件である。その後の捜査で起訴されたKは、無罪判決が確定。未解決事件となっている。

概要[編集]

2004年3月24日夕刻、北九州市八幡西区引野口で火災が発生。全焼した家からはCの焼死体が発見された。司法解剖の結果、死因は焼死ではなく、刺し傷によるものだとされたため、殺人放火事件として捜査された。その後、焼死体で発見されたCの妹であるKが、逮捕起訴された。

起訴されてからは冤罪事件だとして、再審えん罪事件全国連絡会などが支援した。

裁判経過[編集]

裁判では、有罪を主張する検察側と、無罪を主張する弁護側が対立。検察側は同じ監房にいたAが、KがCを殺したという旨の告白を聞いたと主張。この告白から、Cの首の切り傷が発見され、鑑定医が死因を首からの失血死と改めたため、Kの「犯行告白」には秘密の暴露が含まれ信用できると主張した。一方、弁護側は、Aは警察、検察が意図的にKから供述を引き出すため同房者として送り込んだ人物で、その捜査方法は違法であり、Aの証言は無効である。また、死因は最初に鑑定医が執刀時に診断したように心臓の傷からの失血によるショック死であり、首の傷は、ナイフによる「切り傷」ではなく、熱せられた血液が水蒸気爆発を起こして血管の一部が破れたものに過ぎない。そして首の傷は、生体反応として血液凝固のときに見られるフィブリンが見られず、生前につけられたものとは言えない。したがってA証言の信用性もないと主張した。

2008年3月5日福岡地裁小倉支部田口直樹裁判長)は、無罪判決を言い渡した。判決文では、代用監獄を不当に利用した証言は認められないとAの証言を証拠から排除。また、証言の信用性自体も認められないとした。

この判決に検察は控訴を断念。無罪判決が確定した。

参考文献[編集]