嶋田豊
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嶋田 豊(島田 豊、しまだ ゆたか、1929年[1] - 1997年10月22日[2])は、哲学者。日本福祉大学名誉教授[2]。
略歴[編集]
東京生まれ[3]。旧制第一高等学校を経て[4]、1952年名古屋大学文学部哲学科卒業[3]。1957年日本福祉大学に赴任[2]。同大学経済学部教授(哲学・社会思想史)[3]、常任理事、全学教授会議長、経済学部長、社会福祉学部長などを務めた[2]。
1982年-1984年唯物論研究協会(全国唯研)委員長[5]。
人物[編集]
- 共産党正統派の哲学者で、知識人論、大衆文化論などを執筆した[1]。
- 旧制一高時代に真下信一[4][6]、古在由重、出隆から影響を受け、真下を慕って名古屋大学の哲学科に進学した[4]。
- 「日本福祉大学の看板教授」[4]、「日福大ではカリスマ的な存在」[7]だったとされる。共産党大阪市議の北山良三(1952 - )は、高校時代に島田の『大学で何を学ぶか』を読んで感動したことが日本福祉大学に進学する契機になったという[8]。あけび書房代表取締役社長の久保則之は、名古屋大学工学部応用化学科を卒業目前に中退し、哲学をやるため当時島田がいた日本福祉大学に入学したという[9]。
島田豊名義の著書[編集]
単著[編集]
- 『唯物論と経験批判論――原典解説』 青木書店(マルクス=レーニン主義入門叢書)、1966年
- 『大学で何を学ぶか』 日本福祉大学広報企画室、1970年
- 『現代の知識人』 青木書店、1971年
- 『フォイエルバッハ論講義――マルクス主義哲学入門』 学習の友社、1978年
- 『学問とはなにか』 大月書店(国民文庫)、1979年
- 『グラムシへの旅――現代イタリア紀行』 大月書店(大月フォーラムブックス)、1980年
- 『哲学者の映画論――あたりまえに映画を見て時代と文化と人間を語る』 シネ・フロント社(シネ・フロント新書)、1983年
- 『文化の時代に――今日の考察』 椋の木社、1987年
共著[編集]
- 『近代的世界観の展開――近代哲学思想史』 大橋精夫共著、青木書店(青木全書)、1966年
- 『若い世代と学問 1 生きること学ぶこと』 古在由重共監修・執筆、日本青年出版社(青年双書)、1973年/新日本出版社、1974年
- 『修羅のデュエット――詩と思索への出発』 笠木透共著、愛知書房(愛知叢書)、1987年
編書[編集]
- 『講座マルクス主義哲学(全3巻)』 古在由重、森宏一、湯川和夫、今沢恒信、秋間実、芝田進午共編集委員、青木書店、1969年
- 『講座マルクス主義哲学 第2巻 哲学と政治』 青木書店、1969年
- 『講座現代日本資本主義 第4巻 イデオロギー』 青木書店、1973年
- 『講座史的唯物論と現代 第1巻 人間と文化』 青木書店、1977年
監修[編集]
- 『若い世代と学問(全4巻)』 古在由重共監修、日本青年出版社(青年双書)、1972-1973年/新日本出版社、1974年
嶋田豊名義の著書[編集]
- 『山田洋次の映画――『家族』から『学校』まで』 シネ・フロント社、1993年
- 『車寅次郎の世界――『男はつらいよ』全作品読解』 シネ・フロント社、1995年、増補改訂版1997年
- 『嶋田豊哲学論集』 福田静夫編、萌文社、1999年
- 『嶋田豊著作集』全3巻、萌文社 - 井上ひさし、宇都宮吉輝、大沢勝、木崎敬一郎、嶋田都彌子、山田洋次、吉村英夫編集顧問、佐藤和夫監修[10]
- 「第1巻 文化の時代」 1999年
- 「第2巻 大衆文化の思想」 2000年
- 「第3巻 生活の哲学を求めて」 2000年
脚注[編集]
- ↑ a b 諏訪兼位、田口富久治、岩間優希、影浦順子、竹川慎吾、小島亮『伽藍が赤かったとき―1970年代を考える―』中部大学(中部大学ブックシリーズ Acta)、発売:風媒社、2012年、97頁
- ↑ a b c d 岩田龍子「嶋田豊教授の逝去を悼む」『日本福祉大学経済論集』16、1998年2月
- ↑ a b c 『哲学者の映画論』著者紹介
- ↑ a b c d 福田静夫「黄昏に時の雫の映えるがままに――岸本さん断想――」、日本福祉大学福祉社会開発研究所『日本福祉大学研究紀要―現代と文化』第121号、2010年3月
- ↑ 役員および歴代委員長 唯物論研究協会
- ↑ 諏訪兼位、田口富久治、岩間優希、影浦順子、竹川慎吾、小島亮『伽藍が赤かったとき―1970年代を考える―』中部大学(中部大学ブックシリーズ Acta)、発売:風媒社、2012年、87頁
- ↑ 山田洋次監督作品『学校』 福祉型カレッジ「ゆたかカレッジ」の日々(2013年4月13日)
- ↑ 北山良三ものがたりNo.2~「戦争は絶対にあかん!平和・福祉が大事」日本福祉大学に進む~ 北山良三サポーターズブログ(2017年2月5日)
- ↑ 「あけび書房社長、久保則之氏にインタビュー」インタビューコーナーについて 日本共産党さいたま市浦和区後援会
- ↑ その他 萌文社