小糸製作所

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

株式会社小糸製作所とは、自動車用の灯火類をはじめとし、航空機船舶照明機器関係を製造する部品メーカーである。航空機については油圧機器や防氷ヒーターなどの照明以外の航空機器も製造している。

信号機鉄道車両用のシートを製造するコイト電工(旧小糸工業)は小糸製作所の完全子会社である。

概要[編集]

1915年に小糸源六郎が鉄道信号用のフレネルレンズの生産メーカーとして起業したのが始まりであり、1930年に小糸製作所に商号変更、1936年に株式会社小糸製作所として設立したものである。戦前から鉄道用照明や自動車用照明に参入しており、現在では自動車用ヘッドライトの世界シェア1位(2024年現在)と、自動車照明製造のリーディングカンパニーとして業界を牽引している。

製品[編集]

自動車用の照明器具に強みを持つメーカーであり、現在では一般的なポリカーボネート製のヘッドライトを世界で初めて量産車に供給[注 1]したほか、2007年にはLEDヘッドライトを世界で初めて量産車に供給している[注 2]。2014年にはハイ・ローを一つのLEDで切り替えることができ、かつ従来よりも省電力で省コストなLEDヘッドライトユニットを供給しLEDヘッドライトの普及に一役買ったほか、従来のアダプティブドライビングビーム[注 3]よりもきめ細かな制御を可能にするというブレードスキャンADBなどの新技術の開発・投入も積極的である。そのほか、路線バス用の電子方向幕も開発している。

注力しているのは自動車関連事業であるが、航空機の部品サプライヤーとしても参入しており、照明機器のほかにも客室やコクピットの表示装置(シートベルトサインなど)、機体の航法灯なども手掛けている。

関連会社[編集]

コイト電工

かつては小糸工業という名称であり、もともとは小糸製作所の販売面を強化する目的で設立された内外商事を前身とする。小糸製作所から製造する部署の営業譲渡を受けて信号機や鉄道車両に関連する各種機器などを製造していた企業である。現在は小糸製作所の100%子会社。

KIホールディングス

かつて存在した企業であり、小糸工業から航空機座席事業以外の全事業をコイト電工に譲渡して分社化(子会社)し、その残った航空機座席事業を継続しながら事業持株会社となった物である。2020年に小糸製作所に吸収合併されて消滅した。

トヨタ自動車

小糸製作所の筆頭株主であり、トヨタにとっての重要なサプライヤーの一角を占める。また、トヨタグループ内のデンソーと夜間走行時の安全性向上を目的とした協業が2023年から始まっている。

日星工業

自動車ヘッドライトのバルブなどを製造しており、小糸製作所が筆頭株主になっている関連会社でもある。KOITOブランドのバルブを受諾生産しているほか、アフターパーツとしてPOLARGブランドでの各種バルブの展開を行っている。

市光工業

日本市場における自動車灯火類サプライヤーのうち、小糸製作所とスタンレー電気とシェアを争う企業。

ブーン・ピケンズ (投資家)

1989年頃に小糸製作所の筆頭株主となり、同社への経営に介入しようとしたりトヨタへの所有株の買取を迫ったりするなど「グリーンメーラー」として話題となった。

注釈[編集]

  1. 1984年のトヨタ・ソアラに対して
  2. 2007年のレクサス・LS600hに対して
  3. 対向車や先行車を検知してシステムがハイビームの配光パターンを自動でコントロールする機能。他車への眩惑を防止しながら明るい視界を確保する技術