天竜林業高校調査書改ざん汚職事件

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天竜林業高校調査書改ざん汚職事件(てんりゅうりんぎょうこうこうちょうさしょかいざんおしょくじけん)は、静岡県浜松市静岡県立天竜林業高等学校でおきたとされる事件。

概要[編集]

2008年8月に静岡県教育委員会によせられた「天竜林業高校で教諭4人と校長によって大学入試調査書の点数のかさ上げが行われている」という匿名の告発文を元に刑事告訴。これを受けて前校長北川好伸と教諭4人が虚偽有印公文書作成・同行使容疑で逮捕された。教諭4人は容疑を認めて起訴猶予になった。その後、教諭4人は減給処分となっている。

2008年9月24日、元天竜市長の中谷良作(贈賄容疑)と北川好伸(加重収賄容疑)が再逮捕された。その後、北川は虚偽有印公文書作成・同行使と加重収賄の罪で起訴されている。起訴状では、2006年9月に男子生徒の調査書を志望の大学に入学できるように、担任教諭ら2人に評定平均値を3・1から3・5にかさ上げさせて、2006年12月18日と2007年12月10日頃の2回にわたって、現金10万円ずつを親族から受け取ったとされている。

裁判経過[編集]

北川[編集]

北川は容疑を否認。生徒のために「何とかならないか」と話したものの、調査書改竄や収賄の事実は知らなかったとした。入金記録などの直接証拠がない中で関係者の証言が争点となった。教諭らは「何とかならないか」という発言について、調査書改竄の意図を感じたと証言している。また、中谷も「20万円を渡した」と証言する。

2009年11月26日、静岡地裁浜松支部(北村和裁判長)北川に懲役2年6月・執行猶予4年・追徴金20万円(求刑・懲役2年6月・追徴金20万円)の有罪判決を言い渡した。判決では担任の供述は具体的で合理性があり、信用性があると認定。おおよそ起訴状通りの事実を認定し、2006年秋頃に生徒2人の調査書改竄を担任教諭に指示して大学に送付して、生徒の祖父であった中谷から謝礼20万円を受け取ったとした。

2010年12月、最高裁は中谷の上告を棄却して罰金70万円の有罪判決が確定した。

中谷[編集]

謝礼を渡したとして起訴された生徒の親族は、2008年10月に浜松簡裁に略式起訴。罰金70万円の略式命令をが出て、有罪が確定した。

再審請求[編集]

北川[編集]

有罪確定後、北川好伸は2014年4月に再審請求を行う。2011年1月13日に中谷は虚偽の証言をしたことを認めていたことが、支援者説明会で2011年6月に明らかになった。中谷は、証言は検察に強要されたものだとしている。

2015年2月9日までに、静岡地検浜松支部が請求棄却を求める意見書を静岡地裁浜松支部に提出している[1]。2016年10月25日、静岡地裁浜松支部は、再審請求棄却。東京高裁でも2021年3月に再審請求が棄却。最高裁に上告している。2023年3月6日付で最高裁第1小法廷(岡正晶裁判長)は、上告を退けて再審請求棄却が確定した[2]

中谷[編集]

2021年10月に再審請求を行う。

関連項目[編集]

脚注[編集]

外部リンク[編集]