国際公務員
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国際公務員(こくさいこうむいん)とは、国際機関の事務局に勤める国際官僚。
概要[編集]
1905年の国際農業協会(ローマ)にて、小規模ではあるものの、初めて国際公務員制度が出現したといわれる。国際連盟にて本格的にはじまると成果を収め、国際連盟の中で唯一の収穫だったという声もある。
国際連合において、形を変えて受け継がれることになる。国際連合において、国際公務員は国連のみに忠誠を誓い、中立の立場で「国際的忠誠」を実行していかなければならない。
国連職員になるには、国連職員採用競争試験に合格する事が必要である。ただし、国連職員のポストに空きが出来た時にしか採用されないほか、外務省が行なうロスター登録制度やアソシエート・エキスパート制度がある。収入についてはキャリアや勤務地で異なることになる。
問題点[編集]
国際連合においては、「国際的忠誠」について問題になったことがある。
- 1950年代のアメリカ合衆国
- 1950年代にアメリカ合衆国の職員の一部に共産党員の疑いがあるとして、「国家的忠誠」の問題と取り上げて米国の上院議員や新聞が批判する。
- 1960年代初めのソビエト連邦
- ソ連が中立性はありえず、西欧側の優位を存続させるためのものだと主張。これに当時の事務総長ダグ・ハマーショルドは、中立性は仕事をするにあたって特定国家の利益やイデオロギーから完全に自由でなければいけないという意味だと述べている。
日本[編集]
国際連合の分担額から算出された望ましいとされている職員の枠より下回る数の日本人しか職員に就いていないのが現状。日本語が国連公用語とされていないのも原因の一つと思われる。
参考文献[編集]
- 著者:明石康『国際連合 軌跡と展望』(岩波新書、2006年11月21日初版発行)、ISBN 4-00-431052-0