噴煙
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噴煙(ふんえん)とは、火山が噴火する際に、火口から噴出されて噴き上がる煙のことである[1]。
概略[編集]
噴煙は、火山灰などの細粒物質 (固体砕屑物) を含み、他に火山ガスや水滴などから構成される[2]。火山灰の混合率が増えるほど、噴煙は黒くなる[1]。 気象庁は、「噴煙」の定義を「火山活動によって火口から上昇する煙状または雲状のもの。火山噴出物、火山ガスおよび周辺大気が混合したもの。」と定義している。気象庁が噴煙について記述する際は、噴出場所に関する情報(火口名等)など詳細な情報を可能な限り記載する。また気象庁は、火口から出るものを「噴煙」、それ以外の箇所からのものを「噴気」と呼ぶような区別はしない。 学術的には、火山灰等の固体成分を含む、あるいは含む可能性があるものを「噴煙」とし、火山灰等の固体成分を含まないものを「噴気」とすることもある。 噴煙活動は熱活動の指標の1つで、その高さや量には熱活動の活発さと正の相関がある[3]。
高さ[編集]
噴火の規模や熱活動の活発さなどによっても異なるが1707年の宝永噴火(富士山)では、高さ約20kmもの噴煙が噴き上がった[1]。原則として、火口の縁または山頂から噴煙直上部の最高点までの垂直距離が、噴煙の高さである。高さが高くなったり、噴煙の量が多くなるほど、熱活動の活発さと正の相関がある。高さは気象条件(湿度、気温、風速、風向)によって見え方は異なる[3]。
噴煙柱[編集]
火口から噴出した破片状の固体物質と火山ガスの混合物が、周囲の大気を取り込み低密度となって、大気中を上昇するものを「噴煙柱」という。噴煙柱は、柱状の噴煙である。噴煙柱の動きを運動量と熱エネルギー保存則をもとに模擬的に記述したものを噴煙柱モデルという[3]。
関連語[編集]
- 白色噴煙
- 火山灰などの火山噴出物をほとんど含まないと考えられる、白色の噴煙[3]。
- 有色噴煙
- 火山灰などの火山噴出物を含んでいると考えられる、灰色などの白色以外の色を持つ噴煙[3]。
- 噴気
- 火山ガスに同じ。気象庁は、火口から出るものを「噴煙」、それ以外の箇所からのものを「噴気」と呼ぶような区別はしない。ただし学術的には、火山灰等の固体成分を含む、あるいは含む可能性があるものを「噴煙」とし、火山灰等の固体成分を含まないものを「噴気」とすることもあるという[3]。
- 噴煙活動
- 噴煙を放出する活動。活動の程度は熱放出量の多少を示す指標で、噴煙量や噴煙の高さ、噴出の勢い(噴出圧力)をもとに評価される。気象庁などにより「活発」「やや活発」「低調」などの表現が使用されることがある[3]。
- 流向
- 噴煙の流れる方向のこと。火口付近及び火口上空の風の方向によって決まる。噴火に関する火山観測報では8方向で示され、他に「真上方向」や「分散」などが使用される[3]。