原始ピタゴラス数

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

原始ピタゴラス数とは、いわゆる「三平方の定理」を整数論において扱いやすいように考案された、三元のベクトル表記あるいはその条件を満たす解の集合のこと。ただし、難しく考えると逆にややこしさが増してしまうため、必ずしも扱いやすいとは謂いづらい側面もある。

概要[編集]

三元のベクトルであり、その三つの要素は自然数である。縦ベクトルで書いたり横ベクトルで書いたりするが、数学的には一般的な縦ベクトルで書くとプログラムで書くときにややこしいことになる[1]ので、横ベクトルで教えたほうが楽ではないかと考える。
その横ベクトル表記のなかでも二通りの書き方があり、

  • 向かって左から、大きさが小さいものから大きいものへと並べて書く。
  • {奇数,偶数,奇数}順に書く。

というのが一般的のように思う[2]。最小の原始ピタゴラス数は{3, 4, 5}とされるが、{x, y, z}(ただし x<y<z)と書いても{3, 4, 5} と書いても{o, e, d} と書いても{3, 4, 5} と同じ形になってしまい、このあたりから混乱が始まって訳がわからなくなる人もいたりする [3]。とにかく「 x2 + y2 = z2 」であり「 o2 + e2 = d2 」ではあるのだが、公式を使うと「自分で証明してもいない公式を使うんじゃない!」という苦行モードを学生に強要する数学教師がいるから数学がつまらなくなる。これだけパソコンが普及しているのだから、「パソコンで試してみたらなんだかうまくいっちゃったので、あらためて『これは正しい』という証明を考える」というアプローチもあっていい。「偶数の項は必ず4の倍数である」とか「三つの項の積は必ず60の倍数である」とかから始めるとすっかりハマってしまう学生は多かろう思う。数学にハマって将来を棒に振る奴はあまりおるまいとも思う。

参考文献[編集]

脚注[編集]

  1. とはいえプログラミング言語の中には行列が扱えるものもあるが、紙に印刷するときに場所を喰うし書式整形が面倒臭くなるので避けたいところではある。
  2. べつに「{偶数,奇数,奇数}順に書く」としても問題はないはずだが、個人的には見たくもないしやりたいとも思わない。
  3. {8, 15, 17} とか {20, 21, 29} とかいろいろあるのだが、「『e+1 = o』なんていう解が {20, 21, 29} 以外に果たして見つかるかどうか?」とかいうのはかなりの難問であって、数学科の大学生でもお手上げになりかねない。古代バビロニア人はその答えを知っていたらしいが、あのフェルマーが再発見するまでには三千四百年ほどかかっているらしい。


関連項目[編集]