區龍宇
區 龍宇(おう りゅうう[1]/く りゅうう[2]、アウ ロンユ、1956年[3] - )は、香港の労働問題研究者、左派活動家。トロツキスト。
経歴[編集]
1971年、中学生のときに釣魚台(尖閣諸島)防衛運動に参加したのが初めての政治経験となった[4]。70年代、青年雑誌『中国学生週報』やフォークソングから政治的影響を受ける[5]。1976年、高校を卒業、トロツキー派の社会青年社に加入した[4]。1978年に社会青年社が合併した革命馬克思主義聯盟(革馬盟)や、1980年に革馬盟のレーニン派が脱退して結成された新苗社(のち先駆社に改称)にも参加した[4][6]。1980年、大学予科に進学し、のち浸會學院中文学科に入学した[4]。大学卒業後は中学校教員となり、中国語と中国史を教えた[5]。
大学卒業後、隔月刊誌『新苗』(のち『先駆』に改称)を創刊し、2005年まで刊行した。1999年、グローバリゼーションの問題点を啓蒙するNGO「全球化観察」(グローバリゼーション・モニター)を設立した。2005年に香港で開催されたWTO第6回閣僚会議に反対し、2004年に「香港ピープルアライアンス」の結成に参加、スポークス・パーソン[5]、代表の一人を務めた[1]。
教員退職後は、主にインターネットを通じて中国の労働問題やグローバリゼーションの問題を発信している[3]。労工世界網(チャイナ・レーバー・ネット)、Working USA: the Journal of Labor and Society(ワーキングUSA―労働・社会雑誌)編集委員[1]。
主張[編集]
プロレタリア民主派と呼ばれる立場に立つ。1984年のイギリスと中国が香港返還を定めた「中英共同声明」に際しては多数派のブルジョア民主派と一線を画してこれを批判し、香港人の自決を主張した[7]。
中国の市場経済体制を「官僚資本主義」と規定する。區は労働者が関与する民主的な政治制度・計画経済・市場の3つが組み合わされた社会主義を目指す[3]。
著書『台頭する中国』では、釣魚台防衛は支持していない[8]。
著書[編集]
- 『台頭する中国――その強靭性と脆弱性』 白瑞雪、ブルーノ・ジュタン、ピエール・ルッセ寄稿、寺本勉、喜多幡佳秀、湯川順夫、早野一訳、柘植書房新社、2014年
- 『香港雨傘運動――プロレタリア民主派の政治論評集』 早野一編訳、柘植書房新社、2015年
- 『香港の反乱2019――抵抗運動と中国のゆくえ』 寺本勉訳、柘植書房新社、2021年
出典[編集]
- ↑ a b c 香港雨傘運動―プロレタリア民主派の政治論評集 紀伊國屋書店
- ↑ 台頭する中国―その強靱性と脆弱性 紀伊國屋書店
- ↑ a b c 村上太輝夫「(インタビュー)中国「官僚資本主義」 區龍宇さん」『朝日新聞』2015年4月2日付朝刊15面(オピニオン1)
- ↑ a b c d 區龍宇さんとのインタビュー(上) かけはし2015年9月14日号
- ↑ a b c 區龍宇さんとのインタビュー(下) かけはし2015年9月21日号
- ↑ 刘平梅 中国托派党史 中文马克思主义文库
- ↑ 『香港雨傘運動 プロレタリア民主派の政治論評集』 區龍宇 著、柘植書房新社 虹とモンスーン(2015年9月11日)
- ↑ 濱口桂一郎 區龍宇『台頭する中国 その強靭性と脆弱性』 hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)(2014年9月20日)