利用者:竹中半兵衛タイプR/作業場5
カプチーノ(英:Cappuccino)とは、スズキが開発・販売していた軽自動車・オープンカータイプのスポーツカーである。
概要[編集]
ボディタイプ | 2ドアクーペ ハードトップ 2ドアクーペ タルガトップ 2ドアクーペ Tバールーフ 2ドアオープン |
型式 | EA11R / EA21R |
駆動方式 | FR |
トランスミッション | 5速MT / 3速AT(21Rのみ) |
エンジン | F6A型 水冷直列3気筒 DOHC インタークーラーターボ(11R) K6A型 水冷直列3気筒 DOHC インタークーラーターボ(21R) |
総排気量 | 657cc |
燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
燃料タンク容量 | 30L |
最大出力 | 64PS / 6500rpm |
最大トルク | 8.7kgm / 4000rpm(11R) 10.5kgm / 3500rpm |
サスペンション | 前後ダブルウィッシュボーン |
ブレーキ | 前:ベンチレーテッドディスクブレーキ 後:ディスクブレーキ |
全長 | 3295mm |
全幅 | 1395mm |
全高 | 1285mm |
ホイールベース | 2060mm |
1987年から「U.L.W P-89」(Ultra Light Weight sports Project-89)というプロジェクトがスズキ社内で進んでいた。これは軽自動車の馬力規制の上限が50馬力から64馬力まで向上したため、64馬力エンジンを搭載した軽の本格スポーツカーを開発するということが目的のプロジェクトである。
1989年の第28回東京モーターショーでカプチーノのコンセプトカーが展示され、当時のスズキ社長・鈴木修が発売を表明したが、社員には全く知らされていなかったので、スズキ社員は困惑したという。
カプチーノ コンセプトは、デザインは以後発売されるデザインとほとんど同じものだった。大きく違う点としては、カプチーノ コンセプトにはボディにカーボン素材を使用しており、なんと車重は480kgだったという。とてもウケが良かったようで、このまま開発が続けられた。しかし、いくらなんでもカーボンは高価すぎるので、大量生産とリーズナブルな価格での販売には向かなかった。そのため、スチールモノコックボディにルーフなど一部アルミ素材を使用することで、車重を700kgに抑えて驚異的な軽さを実現することができた。ちなみにボンネットもアルミ製なので、持ち上げるとカプチーノ最大の武器とも言える「軽さ」を体で感じることができる。
前期型のEA11Rは1991年11月に発売が開始された。駆動方式は軽自動車でも珍しいFR(フロントエンジン・リアドライブ)で、日産・フェアレディZやトヨタ・2000GTなどに見られる「ロングノーズ・ショートデッキ」という古典的なスポーツカースタイルを採用し、なおかつ限られた居住スペースは剛性を少しでも高く重視しながらも確保している。例えばロッカーパネルの縦幅を長くすることで剛性を稼ぎ、さらに床部を下に下げることにより「剛性」と「居住性」の両方が絶妙に合わさり、乗りやすく安全な車に仕上がっている。
前期型のエンジンはF6A型で、2代目アルトワークスと同じものを流用している。水冷直列3気筒DOHC インタークーラーターボ 64馬力のF6Aを、FRのため縦置きで搭載している。さらにエンジンをフロントアクスルより後ろに設置、いわばフロントミッドシップに置いているため、前後51:49という理想的な重量配分が生まれた。軽自動車かつFRというとてもスペースの限られた状態でさらにエンジンをフロントミッドシップに搭載しているということは、とても画期的でクレイジーである。EA21Rにマイナーチェンジした後は、エンジンブロックがアルミ製かつチェーン駆動のK6A型エンジンを搭載した。これによって車重が10kg軽量化され、最大トルクもわずかに向上した。
エンジンをフロントミッドシップに搭載することで足回りにスペースが生まれるため、カプチーノは軽自動車で史上初めて前後ダブルウィッシュボーンを採用した。さらにビートには先を越されたが、軽自動車にしてブレーキはディスクブレーキ、前輪はベンチレーテッド式のディスクを採用しており、足回りは抜群の性能を誇る。
なんとこのクルマ、オープンカーと言いながら3分割式のアルミ製ルーフが存在し、幌もアルミ製である。3つあるルーフ板のうち2つを取ればTバールーフ、全て取ればタルガトップ、タルガの状態でアルミの幌を収納すればフルオープンとなる。ルーフと幌が金属製のため、一般的な布製の幌のオープンカーよりも遮音性や防水効果がある。しかしオープン状態にするのに慣れていても3分ほどかかるらしく、やっとフルオープンにしてルーフ板をトランクに収納し、さあ荷物を積もうと思えばスペースは皆無で、雨が降ってきたと思えば幌を閉めるのにも3分間かかる。実用性においてはデメリットしかないのである。ただ、スーパーカーを思わせるようなタルガトップや、高い剛性が必要なスポーツ走行をしながらオープンのような開放感にできるTバールーフを1つの車で楽しむ事ができるのは大きな利点である。
11R(前期型)と21R(後期型)の見分け方[編集]
11R[編集]
- エンジンの上にシルバーの細長い箱がある。
- 少し見えにくいがエンジンカバーの色が黒い。
- クランクプーリーにタイミングベルトが巻かれている。
- ヘッドライトに何かしらの刻印がない。
- 純正のみ、ステアリングホイールがT字で中央にスズキのロゴがある。
- 純正のみ、ホイールのスポークが7本。
- リアピラーの根元に小さな突起物がない。
21R[編集]
- エンジンの上にシルバーの細長い箱がない。
- エンジンカバーが銀色。
- クランクプーリーにチェーンが巻かれている。
- ヘッドライトに型番などの刻印がある。
- シフトがオートマ。[注 1]
- 純正のみ、ステアリングホイールの中央が丸く、スズキのロゴがない。
- 純正のみ、ホイールのスポークが6本。
- リアピラーの根元に小さな突起物がある。
脚注[編集]
- ↑ MT車は前期後期ともに存在するので、シフトで見分ける事ができない。しかしMTのカプチーノの大半は11Rなので、MT車は大体11Rと思って良い。