旧正宗寺三匝堂
旧正宗寺三匝堂(きゅうしょうそうじさんそんどう)または会津さざえ堂(あいづさざえどう)は、福島県会津若松市の飯盛山に建立された六角三層のお堂である。二重らせん構造の斜路をもつ。正式名称は「円通三匝堂」(えんつうさんそうどう)。通称を「会津さざえ堂」「さざえ堂」という。会津さざえ堂の協力ですがも鴨台観音堂が建立された。福島県会津地方の飯盛山中腹にあり、会津若松市街が一望できる。
沿革[編集]
1796年(寛政8年)、当時飯盛山に正宗寺(しょうそうじ)というお寺があり、その住職郁堂(いくどう)が建立した。内部は二重らせん構造の斜路があり、右回りに上る斜路と左回りに下りる斜路がそれぞれ交わることなく存在している。独特の2重らせんスロープに沿い西国三十三観音像が安置され、参拝者はこのお堂をお参りすることで三十三観音参りができるものであった。一方通行の構造により、多くの参拝者が互いにすれ違うこと無くお参りができる[1]。
さざえ堂で参拝者は上りで一回転半、下りで一回転半、合計三回転する。三匝堂の「匝」は「めぐる(匝る)」という意味であり、三回めぐりながら観音をお参りすることになる。最上階には太鼓橋が架けられている。橋を渡ると、下りのらせんスロープとなる。
1780年代から当時の民衆の観音信仰を背景として江戸の羅漢寺、群馬県太田市の曹源寺本堂、埼玉県本庄市の成身院百体観音堂など、関東を中心として全国各地に「さざえ堂」と呼ばれる建物が建てられた。
神道を信仰しため、明治元年(1868年)の神仏分離令により 三十三観音像は取り外され他所へ移動した。明治23年(1890年)には堂内の観音像があった場所に白虎隊十九士の霊像が安置された。のちに会津藩の道徳の教科書であった第8代藩主・松平容敬公編纂の「皇朝二十四孝」の絵額がかけられた。
マスコミ等[編集]
- 2014年公開の映画、実写版「ルパン三世」のロケ地となった。
- 2016年7月2日(土)放送のブラタモリ第43回「会津」で会津さざえ堂が紹介された。
- 2016年2月27日、テレビ東京放送の「美の巨人たち」で『郁堂禅師「円通三匝堂」』のタイトルで会津さざえ堂が紹介された。
基本事項[編集]
- 名称:円通三匝堂(えんつうさんそうどう)、通称「会津さざえ堂」
- 所在地:〒965-0003 福島県会津若松市一箕町八幡弁天下1404
- 高さ:16.5メートル、六角三層の堂
- 指定:国指定重要文化財
- 指定日:1995年(平成7年)6月27日
- 拝観時間:(1月~3月)9:00~16:00 (4月~12月)8:15~日没
- 拝観料金:大人400円、高校生300円、小中学生200円
- 交通:JR会津若松駅前からまちなか周遊バス「ハイカラさん・あかべぇ」で「飯盛山下」下車、徒歩5分磐越自動車道:会津若松ICより約15分