兵役逃れ
兵役逃れ(へいえきのがれ)とは兵役義務のある国家(徴兵制度実施国)で、兵役に何らかの手段で最初から参加しないで済ませる行為である。ここでは良心的兵役拒否については扱わない。
概要[編集]
兵役を逃れる方法は様々だが、概ね以下のパターンに分けられる。
- 入隊前の徴兵検査の段階で徴兵に適さないと診断されるような体作りをする、或いはそれを装う
- 兵役免除となる条件に当てはまるよう立ち振る舞う
- 警察・司法の手が届かない外国に逃亡・移住・徴兵制度のない国の国籍を取得する
1.は徴兵検査当日まで食事の量を減らすなどして兵役に適さない弱い体を装うか、醤油を一気飲みするなどして当日体調不良を装い、現役入隊を避ける。
2.はたいてい兵役免除の規定があり、それに当てはまるよう立ち振る舞う事で兵役を逃れられる。一例として軍属に志願する、特例のある学校(医学部・理工学部など)に進学するなど。
3.は外国人と結婚して徴兵制度のない国に帰化することで徴兵を合法的に逃れられる。ただし偽装結婚で帰化した場合はこの限りにない。
徴兵検査を担当する医師も慣れたもので、兵役に適さない体を装うテクニックなどはほぼお見通しであった。笑い話として難聴を装った者が医師の「こりゃ(軍隊は)無理だな」と小声でつぶやいたのに反応してしまい、難聴が嘘であることがバレたというものが伝わる他、「霊験あらたかな寺の泉で水浴びをすると高熱が出て徴兵を逃れられる」という噂話が広まってそこで実際に水浴びをして高熱を出す者が続出したというものがある。(後にその池を調べたらそこは最悪の場合に命を落とす寄生虫の生息地だったということが判明)
明治時代初期の日本[編集]
徴兵令が発布されるといかに徴兵を逃れるか、徴兵を忌避したい人は徴兵令の盲点を突いて徴兵を逃れた例もあった。徴兵逃れの解説本がベストセラーになるくらいであった。徴兵の対象外として、長男、養子があったが、わざわざ養子になって徴兵逃れとなった例もあった。平民宰相といわれた原敬は家老の家系の士族であったが、分家して平民の長男になり、兵役を逃れることができた。