会津犬

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会津犬(あいづいぬ)は、福島県原産の絶滅した日本犬の一種である。

概要[編集]

会津藩のあった会津地方で古くから育成されていたマタギ犬である。同じ東北地方を原産とする岩手犬高安犬などとは何らかの関係があると思われる。

主にクマタヌキイノシシなどを狩るのに使役された。パックで獲物を追跡して、発見すると自ら飛び掛かって仕留める勇敢さを持っていた。会津地方に猟銃が導入されると、噛み留めまでが仕事であり、最後は主人が銃で仕留めた。

かつては原産地でありふれた犬種で、武士から農民まで様々な人が猟犬・番犬として飼育された。

現在は純血の会津犬は絶滅して存在しないと見られるが、原産地ではその血を引き継ぐ犬がいる可能性がある。しかしながら、今日の会津地方で猟犬として使役されるとは北海道犬甲斐犬紀州犬といった他地域の日本犬であるため、血を引く犬も絶えているかもしれない。

特徴[編集]

典型的な日本犬であり、他の犬種と比較して際立って突出した特徴はない。筋肉質の骨太でかっしりとした体つきで力強い。踏ん張りの利いたしっかりとした脚で、顎は長く尖っている。耳は立ち耳で、尾は巻き尾となっている。硬めの短毛で、毛色には特に制限はない。大きさは中型犬ほどで、性格は主人にのみ忠実である。

犬張子と会津犬[編集]

会津地方の伝統工芸品である『会津犬張子』は、会津犬を参考にして作られたものであると考えられる。マタギ犬に特有の踏ん張った脚や骨太な体つきをよく表しており、原産地では身近な犬種だったことを物語っている。

会津犬には犬張子の白地に斑の毛色を持つ個体も存在した。

関連項目[編集]