伊能小図(いのうしょうず)とは、文政元年4月13日(1818年5月17日)に伊能忠敬が死んだ後、3年後の文政4年(1821年)に伊能忠敬の測量隊が完成させて江戸幕府に提出した大日本沿海輿地全図3種のうち、縮尺が最も小さい日本地図のことである。全214枚の大図、8枚の中図に対し、3枚の小図は全国を俯瞰しやすく汎用性も高いとされている。幕末に江戸幕府が日本地図をイギリスに写本で提供したことがあるが、それを見たイギリス海軍はその正確さに驚いて日本近海の海図を修正した逸話も存在する。樺太図を加えた4枚組の「官板実測日本地図」が明治時代初期になって木版で刷られて、これが伊能図の初出版となった。