二電力計法(にでんりょくけいほう)とは、三相3線式の平均電力を2個の電力計を用いて測定する方法。
一般に相線式の電力は個の単相電力計を用いて、それらの指示の代数和として求められる(ブロンデルの定理)。
測定原理[編集]
上図の平衡三相回路の三相電力を測定する二電力計法の測定回路において(対称三相Y接続交流回路、平衝負荷なので負荷の各相インピーダンスがすべて等しい)
端子a, b, cのそれぞれの電位を
とし、線電流をとする。端子ab, bc, acの線間電圧をそれぞれとする。また、電力計をとする。
の電圧コイルに加わる電圧は、
であるから、下図のフェーザ図のようになり[1]、
電流コイルに流れる電流との間には
[rad]の位相差がある。[2][3]また、電力計の電圧コイルに加わる電圧はでベクトル図のようになり、
電流コイルに流れる電流との間には
[rad]の位相差がある。したがって、およびの指示をそれぞれ
及びとすれば
となる。対称三相交流であるから、
の関係があるので
となる。したがって、三相電力Pは加法定理 (三角関数)より、
となり、の指示値の和が三相電力と等しくなる。
関連項目[編集]
参考文献[編集]
- 酒井善雄『電気電子工学概論』丸善株式会社
- 矢野隆、大石隼人『発変電工学入門』森北出版株式会社2000年9月13日第1版第4刷発行
- 西巻正郎・森武昭・荒井俊彦『電気回路の基礎』森北出版株式会社1998年3月18日第1版第12刷発行
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- ↑ 3つのベクトルがなす角は120°、3つのベクトルが同じ大きさなので、三角形のなす2つの角は30°。