不正改造車
不正改造車(ふせいかいぞうしゃ)とは、自動車の安全基準である保安基準に適合していない改造を施された自動車の総称である。灯火切れなどの整備不良とは異なり、不正改造車には整備命令が発令され道路運送法による保安基準に適合するまで自動車が使用できなくなる。
概要[編集]
自動車は保安基準により灯火の色やマフラーなどの音量など様々な項目が詳細に指定されている。逆を言えば、その基準内での改造は合法である。しかし、規制の緩かった時代のスタイルや海外で合法とされている改造を違法と知りながら、あるいは知らずに改造する事例が後を絶たない。違法と知りながら改造する人は「目立ちたい」とか「かっこいいから」という身勝手な理由で不正改造を行っているらしい[1]。
不正改造車を公道で走らせるだけでなく、ナンバープレートが交付されている自動車に対する不正改造自体が禁止されており(道路運送車両法第99条の2)、違反者に対して整備命令が出されることになる。整備命令が発令された場合は必要な整備を行い、保安基準に適合することを管轄の運輸支局などで確認を受けなければならない。なお、整備命令に従わなかった場合は車両の使用停止命令やナンバープレートの没収などが行われるほか、使用者に対しては罰金が科されることになる。
不正改造の例[編集]
挙げだしたらきりがないため、ここではよく指摘されるものを記載する。
- 競技専用マフラーなど、触媒レスや音量が著しく大きいものなどの取り付け。
- フロントガラス、運転席と助手席のサイドガラスに透過率70%以下のフィルムの取り付け(俗にいうフルスモーク)。
- 車体からタイヤがはみ出している状態。
- 車体からはみ出るような大型ウイング
- リフレクターがないクリアテール
- 点灯時の色がそれぞれの灯火の色の基準外
- サスカット(コイルスプリングの一部カット)
- 構造変更が必要な改造を申請していない
- 大型トラックにおけるリミッターカット
- ブローオフバルブの大気開放
なお、2005年までに生産された自動車における黄色の前照灯や1969年3月31日までに生産・輸入された自動車におけるシートベルト無し(シートベルト違反にもならない)は現行法では違法であるが当時の基準では適合していたため、法の不遡及の観点から適用除外になっている。また、エンジンスワップやミッション交換、またサスペンションの構造変更やボアアップなどは構造変更検査を受け、再車検に通れば合法である。