リベラルアーツ

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リベラルアーツとは、(奴隷に対する意味での)自由民・一般人が身につけておくべき技藝(アーツ)をいう。 古代ギリシャでは「テクネ―」と呼ばれ、「技術」の扱いであったが、医聖と云われるヒポクラテスが「技藝は永く、人生は短い (: Ars longa, vita brevis)」とボヤいたように、「他の人に伝えることが難しい」という難点がある。

概要[編集]

古代ギリシャでは既に基本的な概念は成立しており、言語系三学(文法学、論理学、修辞学)と数学系四学(算術、幾何学、天文学、音楽)の「自由七科(セブンリベラルアーツ)」に整理された。

その後、十七世紀のイギリスを経てアメリカに継承され、現在のアメリカのリベラルアーツ・カレッジでは少人数制による基礎的な教養と論理的思考力の習得に重点を置いているという。

このうち算術は学ぶまべきものとしての「数学」から独立した「技藝」とされて現代の「算数」になったが、基本的には「手を繋いで歩いてきた」仲である。「伯仲」というなら伯が算数で仲が数学といったところだろうか。

現在、リベラルアーツは一般教養の意味で使われることが多い。

音楽的修辞フィグーラ[編集]

じつはリベラルアーツは文/理に真っ二つに分かれているわけではない。たとえば修辞学は音楽に影響を与え、「音楽的修辞フィグーラ」と云われてルネサンス期において盛んに用いられた。たとえば:

Anabasis(アナバシス)
上昇音型。
外向性、強さ、集中、上昇、肯定、明るさ、希望 etc. を表す。
Catabasis(カタバシス)下降音型。
内向性、弱さ、下降、否定、死、絶望 etc. を表す。
Cyclosis(キクロシス)
同音の持続。
平板、不動、平和、永遠、静止、静寂 etc. を表す。
Hypotyposis(ヒポティポシス)
音型を用いた意味の表現。
言葉や詩的なイメージを音型で表し、音響の絵画性を強調する。
Parrhesia(パルヘジア)
表現豊かな不協和音。
特に異なる声部間に現われる三全音を指す。
Noema(ノエマ)
対位法の中のホモフォニー部分。
通常は協和音で構成され、歌詞を強調するために用いられる。
Passus duriusclulus(パッスス・デュリュースクルス)
短2度の上行または下行。
苦難、悲しみを表す。
Saltus duriusclulus(サルテュス・デュリュースクルス)
不協和音程による3度以上の跳躍。
苦難、悲しみを表す。
Suspiratio(ススピラツィオ)
休止によって旋律が分断されること。
奇音によって作られる不協和音。
驚き、ため息、恐れ、とまどい等を表す。
Suspensio(サスペンシオ)
2度や7度でぶつかり合う音程。
緊張に満ちた瞬間を表す。

M.A.B. Soloists『音楽における代表的なフィグーラ』

脚注[編集]

関連項目[編集]

外部サイト[編集]