ラリージャパン一般車両侵入事件

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ラリージャパン一般車両侵入事件 ラリージャパン一般車両侵入事件とは、2024年11月21日から中部地方で開催されたラリージャパン(WRC第13戦)において、封鎖された競技エリアに一般車両が規制線を突破して侵入した事件である。

概要[編集]

競技3日目となる11月23日、恵那市で開催されるSS(スペシャルステージ)12において競技中に一般車両が侵入。SSのスタート地点まで侵入し、スタートを待機していたエルフィン・エバンストヨタ)の車載カメラにもはっきりとその状況が映されていた。

運営スタッフから一般車両の運転手に対し、車両を移動させるように依頼したが運転手はそれを聞き入れず、スタート地点に正対する形で数十分の間とどまり続けた。これをうけ、運営側はSS12の続行は不可能と判断し「安全確保」の名目で競技をキャンセルとした。

競技のキャンセルにより、残った選手は代替ルートで次のSS13(笠置山SS)へ向かうことになったほか、エバンスら走行できなかったドライバーには救済タイムが与えられることになった。

影響[編集]

恵那SSのキャンセルを受け、大会主催者にはFIAから大会キャンセルにより罰金として5万ユーロ(11月25日のレートで806万円)の罰金が科されることになった。一般車両がSSコース内に進入したという状況が「結果的に危険な状況」であり、一般車が侵入できないような物理的なバリアを設置していなかったこと、連絡体制に不備があったことがFIA国際モータースポーツ競技規則[1]の12.2.1.hにおける「適切な対策の不履行」に抵触していると判断されたためとされる。

また、10万ユーロの罰金の執行猶予として以下の2つの要求もなされている。

  • 2025年に開催予定のラリージャパンまで、FIAやJAF[注 1]と協力し、コースの監視や連絡体制を含めたマーシャルトレーニングの実施し、トレーニングの結果をFIAに報告すること。
  • 2025年のラリージャパンではFIA国際モータースポーツ競技規則の12.2.1.h(本件事案と同様)に違反することがないこと。

2022年のラリージャパンにおいても一般車両の誤進入事案があり[注 2]、その再発防止ができていないという制裁的意味合いも込められていると指摘する声もある。

なお、本事案は2022年とは異なり検問所を強行突破し規制線を越えてスタート地点まで侵入している。また、侵入ルートも間違って入ってくるようなルートではなく[2]、検問の突破もあって明らかに妨害の意図があったものと強く推定されている。そのため、主催者側への同情の声も強い。

この一件について、実行委員会が恵那警察署に被害届を提出し受理されたことが12月19日に報道された[3]

妨害車両は横浜ナンバーの日産・キャラバンであり、妨害目的については判明していない[注 3]

関連項目[編集]

注釈[編集]

  1. 日本自動車連盟はFIA指定のモータースポーツ管轄団体(ASN)であるため
  2. SSに通じる枝道において、いくつかの封鎖漏れがあったうえ、監視員の配置が不十分であったと指摘されている
  3. 昆虫愛好家や昆虫保護団体という話が触れ回っていたが、これは2004年のラリージャパンでの話と混同している可能性が非常に高い

脚注[編集]