ヤリマン
ヤリマン(やりまん、英:Slut)は、不特定多数の男性と積極的に性行為の関係を持つ女性のことを意味する隠語あるいはスラング(卑語)である。ヤリマン女(やりまんおんな)とも書き、類義語のサセ子(させこ)や痴女(ちじょ)、尻軽(しりがる)などといった淫蕩(いんとう)の部類に入るスラング(卑語)である。
片仮名部分を平仮名で「やりマン」「ヤリマん」「ヤリまん」などと表記することもある。同意語として、関西では「パンコ」「パン子」などが用いられる。対義語はヤリチンである。「やり手」をもじったものと思われるが発祥は不明である。
概説[編集]
ヤリマンは主に男性の側が用いる隠語で、性行為に積極的で、相手を次々と変えて性行為を行う女性を侮蔑したり揶揄したりするときに使用する。また転じて、性行為以外でも次々とペアを変えることを(こちらは、男性に使うこともある。)こう呼ぶことがある。
ヤリチンも含め謂われのない誹謗中傷として酷い隠語のひとつとなるため、使用する際には注意を要するが、海外では心理治療の対象とされることがあるのも確かである。タイガー・ウッズやビル・クリントンは性欲を健全に働かせるためのカウンセリングを受けたことが知られている。
歴史[編集]
ヤリマンという隠語がいつ頃から使用されるようになったか定かな文献は確認されていない。だが、女性の貞操観念が変化すると共に一般に認知され、次第に隠語として使用されるようになったと思われる。
過去、女性の性道徳には処女であることや貞淑などが求められてきた時代があったため、性行為は男性の方が女性よりも積極的であることが好ましいという社会常識があった。ところが、近代になるにつれ女性の性道徳があいまいとなり、貞操観念も変化したことで、男性よりも性行為に積極的な女性が表れるようになった。
そこで、「やりたがるマンコ」や「やりたがりのマンコ」、また「やり放題のマンコ」や「やりっぱなしでも後腐れのないマンコ」などが縮まり、主に、性行為を積極的に求める(やりたがる)女性器(マンコ)が略されて隠語となった。
また「やりやすいマンコ」を略した隠語でもあり、この場合は男性が性行為の関係を持とうとした時に様々な面でハードルが低く、貞操観念の低い女性を意味している。主に若年層の男性たちが使用する隠語は片仮名の表記が好まれることもあり、1980年代から盛んに使用されるようになった。なお、中高年層の男性はあまり使用しない傾向がある。
マスメディアやインターネットの普及に伴い、恋愛関係のゴシップが絶えない女性タレントや、性的な魅力を積極的に強調する女性グラビアアイドルなどを誹謗中傷する隠語としても使用されるようになった。1990年代頃からは、フリーセックスやセックスフレンドという概念が登場し、男女の婚前交渉なども一般化したためどこまでがヤリマンなのかは非常に定義しにくくなっている。従って、ある男性がある女性のことをヤリマンと侮蔑しても、その女性は自分自身のことをヤリマンとは考えていない、といった自己認識上の誤差も生じるようになった。
なお、侮蔑したり揶揄する点は同じだが、漢字を使用する「痴女」や「淫乱」古くからある「色情狂」などよりも「ヤリマン」という片仮名の方が意味合いが軽くなるような風潮もある。
アダルトコンテンツでのヤリマン[編集]
成人が対象となるエロ本やアダルトビデオなどのアダルトコンテンツでは、主な顧客である男性に対してより刺激的な印象を与える隠語として使用されている。
大概においてヤリマンという隠語の通り、そのような女性を侮蔑したり揶揄したりする意味合いで使用されるが、男性の性道徳も多様化および複雑化しており、むしろそのような女性から積極的に迫られるような作品(痴女物)を好む男性も存在するようになっている。
実際にヤリマンという隠語が使用されたアダルトビデオの例を挙げる。「作品タイトル(発売年/AV女優/アダルトビデオメーカーやレーベル名)」で表記した。
- キャッチコピーにも「…誘われたら断れないヤリマンで…」とある。
- タイトルの通りである。
派生語・類義語・対義語[編集]
隠語であるため厳密な区分や規定はしにくい。様々な派生語、類義語が存在する。
派生語[編集]
ヤリマンにそのまま女を付け加えて「ヤリマン女(やりまんおんな)」と表記することがある。また、ヤリマンに女性の名前や固有名詞、組織や団体をそのまま付け加えることがある。例として自ら積極的に男性を誘うようなOLなら「ヤリマンOL」、ヤリマンの女子学生が多い大学なら「ヤリマン大学」などと表記することがある。
類義語[編集]
類義語としては、「サセ子(させこ)」(主に若者たちが使用する隠語)や「痴女(ちじょ)」、「尻軽(しりがる)」などがある。また他に「淫乱」や「ニンフォマニア」(女性の色情狂)、「公衆便所」(こうしゅうべんじょ)や「肉便器」(にくべんき)などがある。
- 類義語関連
プレイガール、ビッチ、あばずれ 、すけべ、エッチ、羅紗緬、イエローキャブ、 パンパンなどがある。
対義語[編集]
ヤリチン(やりちん)は、「やりたがるチンポ」や「やりたいおちんちん」を縮めたもので、不特定多数の女性との性交渉を積極的に求める男性または男性器を意味する。