ポルシェ・928
928は、ポルシェが生産していたグランドツーリングカーである。
概要[編集]
1964年に356の後継車種として911がデビューし爆発的な人気を得たが、10年近くモデルチェンジを挟まずに生産を続けてしまったため、徐々に人気は低迷した。ポルシェはその状況を打破すべく、新しいコンセプトのラインナップを加え、1978年に世へ送り込まれたのが924とこの928である。
924と928は、RR方式の911と違いFR方式を採用している。924は先代の914と同じくベーシックモデルとしてデビューしたが、928は高級車市場への新規参入を目的としたラグジュアリーなGTカーとして開発された。そのため924や911と違って内装が豪華に作られていて、当時ポルシェの中で最も高価な車種だった。
エクステリアは曲線基調で、70年代後半から登場した車種としては中々先進的なデザインだった。中でも丸目のポップアップ式ヘッドライトが特徴で、928最大の魅力と言っても過言ではない。さらにフェラーリなどの他メーカーに対抗する為、パワートレインや足廻りが徹底的に磨かれた。特に928専用に開発された「ヴァイザッハ・アクスル機構」という独立懸架システムが大きな魅力で、後に4WSの先駆とも言われるほど、サスペンションの歴史に強い影響を与えた。
928(1978年 - 1982年)[編集]
リアスポイラーの無い流麗なファストバック型のリアエンドと、フロントスポイラーのないシャープなフロントデザインを持つのが特徴。4.5L V型8気筒 SOHCエンジンモデルで、240PSを叩き出す。
928 S(1979年 - 1986年)[編集]
空力性能向上のためにフロント・リアにスポイラーが追加されたのが特徴。4.7L のV8 SOHCで、最高出力は300PSにまで向上。1984年から1985年までは5.0Lモデルが設定され、ポルシェで初めてDOHCが採用された。310PSを誇る。1986年モデルでは5.4Lまで拡大されたが、公害対策のため触媒コンバータが装着されたことにより、最高出力は288PSに落ち着いた。