ポメラ
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ポメラ(pomera)とは、キングジムが製造・販売している文章作成に特化したデジタル文具である。
概要[編集]
キーボードと液晶モニタというノートパソコンと似た構成の端末であるが、基本的に文章作成以外の機能は無いといってもいい特化型の端末である。ワープロからプリンターを除外したようなものであり、最新型のDM250が登場した際は令和のワープロと呼ばれたこともある[1]。とはいえ、DM250でも付加機能は電子辞書(和英・類語)とファイルの転送、スケジュール管理程度である。近年の機種であればBluetoothやWi-Fiも装備されるがあくまでファイル転送のための手段でしかない。あくまで文章作成に特化したツールである。
日本語入力システムにはATOKが採用されており、日本語変換に強いだけでなく強力な校正支援機能も搭載されている。そのため、文章作成に係るストレスがかなり少なくなったともいわれている。また、一般的なJIS配列だけでなくUS配列や親指シフトにも対応。入力にもこだわりが見受けられる。
文章の編集モードは多彩であり、アウトライン表示や分割表示、原稿用紙風なども用意されているほか、DM250からは脚本や台本の作成に向くシナリオモードも導入された。
機種[編集]
- DM10
- 2008年に登場した初代ポメラ。折り畳みキーボードと乾電池駆動であり、機能も最もシンプルであったが大ヒットした。
- DM20
- 2009年に登場した2代目ポメラ。内部メモリの拡張やQRコード読み取りなど、外部機器との連携が強化されたほか、画面サイズの拡大も行われたモデル。
- DM11G
- 2010年に登場したポメラであり、機動戦士ガンダムとのコラボレートモデル。デザインが初代ガンダムを意識した3デザイン[注 1]が用意されているほか、起動時にTV版のタイトルを表示する機能もある。また、「ずごっく」で変換するとMSM-07のようにガンダム擁護に特化したガンダム用語に強い学習がなされている。
- 機能的にはDM10の筐体にDM20の機能を盛り込んだようなものになっている。
- DM20Y
- 2010年にDM20とレーシングカーデザイナーとして知られる由良拓也氏とコラボしたモデル。基本的な性能はDM20であるが、高級感のあるカバーやEnterキーにチェッカーフラッグが、F1キーにはF1カーのイラストがあしらわれている。数量限定発売。
- DM5
- 2010年に登場した廉価版ポメラである。STN液晶の採用やキーボードのスライド機構を廃止するなど、コストカットの結果として初代よりも6000円近く安い希望小売価格でリリースされていた。
- DM100
- 2011年に登場したポメラであり、初めてストレートタイプのキーボードを採用したモデルである。5.7インチの大きな液晶(バックライトつき)を搭載し、ストレートタイプでは唯一の乾電池駆動モデルでもある。そのため現在でも人気が高く、程度の良い個体は高値で取引されている。
- DM25
- 2013年に登場したポメラであり、DM100の折り畳みモデルに相当する。
- DM200
- 2016年に登場したポメラであり、登場当時はポメラのハイエンドモデルとして位置づけられていたモデルである。Linuxベースで動作しており、7インチ液晶やATOKの駆動の関係からリチウムイオンバッテリで駆動するようになった。なお、現在においてもバッテリ駆動は賛否が分かれており、5chなどでは熱い激論が繰り広げられている。
- 一方、ガジェットマニアからはLinuxを導入できるモバイル端末ということで熱い視線が注がれており、Linux(Debian)をインストールしたり、Wi-Fiでインターネットに接続したりするなど様々なハックが試みられている。
- DM35
- 2018年に登場したポメラであり、唯一のE-Ink採用モデルでもある。Wi-Fiは搭載していないものの、乾電池で駆動するモデルであり、最後の乾電池駆動モデルでもある。一方、E-Inkのリフレッシュや応答の遅さから敬遠するユーザもいたようである。
- DM250
- 2022年に登場したポメラであり、ストレートモデルとしては約6年ぶりとなるモデルチェンジである。DM200と外観上の違いはほとんどなく、USB-Cに対応した程度である。一方、システム的には文字数カウントやバッテリ残量が常時表示されるようになった[注 2]ほか、オートバックアップ機能やごみ箱機能、脚本や台本の作成に向くシナリオモードが追加された。また、ATOKの校正機能が強化されたほか、1ファイルごとに扱える文字数も20万字まで対応できるようになるなど、様々な場所に改良が加えられている。なお、数量限定で白いデザインのホワイトモデルと透明なスケルトンモデルが販売された。
- 一方で価格が\54,800(税抜・メーカー希望小売価格)となっており、実勢価格でも3万円から4万円ほどで推移している。専門設計であることやATOKのライセンス料、円安の影響により価格上昇はやむを得ないといわれているものの、中古のPCとそれほど価格差が無くなっており、こと文章作成においてはマシンパワーもそれほど必要としないため価格上のメリットは皆無と言われている。そのため、余程ポメラで文章を作成することにメリットを感じる人以外にはお勧めできなくなっている。
関連項目[編集]
注釈[編集]
脚注[編集]
- ↑ https://www.gizmodo.jp/2022/07/pomera-dm250.html いつでもどこでもすぐメモれる。キングジムがデジタルなメモ帳「ポメラ」の最新版を発表