ホンダ・トゥデイ (自動車)

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トゥデイ(Today)とは、本田技研工業(ホンダ)が生産・販売していた軽自動車である。ホンダ・Zホンダ・ライフ(いずれも初代)の生産終了後、ホンダが軽乗用車市場に復帰する契機となった車であり[注 1]、現在のホンダの軽自動車の旺盛につながる重要なピースともいえる車である。

初代[編集]

スズキ・アルトの販売により活性化していた軽ボンネットバン市場に刺激されたといわれており、1985年の登場当初は軽ボンネットバンとして販売を開始した。1988年のマイナーチェンジで乗用モデルも追加されている。

ボンネットとフロントバンパーに食い込むような丸形の前照灯とバンパーに埋め込まれたリアコンビネーションランプ、ボディに対して異様に長いホイールベースなど、限られたスペースを最大限有効活用しようとしている姿勢が随所にみられているモデルである。開発にあたっては「メカニズムを最小に、居住スペースを最大に」というM・M思想[注 2]に基づき開発されたといわれている[1]。そのため、当時の軽自動車としては広い車内スペースとロングホイールベースによる優れた直進安定性があったといわれている。なお、このデザインはルノーが1993年に発売した初代ルノー・トゥインゴのモチーフとなっており、デザインにかなり類似性がみられるものである。

搭載されるエンジンは直列2気筒エンジンのEHエンジンであり、当時としては珍しいアルミ製のシリンダーブロックを持っていたエンジンである[2][注 3]。なお、1988年のマイナーチェンジで直列3気筒のE05A型エンジンに更新。より出力と操作性・整備性が向上している。なお、このマイナーチェンジにおいてサンルーフがオプションで選ぶことができるようになる。

1994年にフルモデルチェンジを実施し、乗用モデルは2代目に移行される。一方で乗用専用モデルとして設計されたため、先代のような商用モデルは設定されていなかったことなどから1998年まで商用モデルの製造・販売が継続される。このモデルはトゥデイ ハミングとされ、安定した人気を誇っていた。

2代目[編集]

当初から乗用専用モデルとして開発が進められており、基本的なスタイルは先代を踏襲しつつ、より乗り味が良くなっている。一方でトランクルームの使い勝手の悪さや5ドアモデルでもパワーウィンドウが前席のみであるなどが不評であった。そのため1996年のマイナーチェンジで通常のハッチバックとしてリファインされる。

なお、エンジンは先代同様のE07Aであるが一部モデルにMTRECと呼ばれる機構を搭載しており、F1同様の燃料噴射制御を行うシステムである。

なお、1997年に登場した2代目ライフはこの2代目トゥデイのコンポーネントを流用して設計されており、形式名も同様の「JA4」である。 1998年の軽自動車規格が改正される直前のモデル終了となった。なお、ライフは規格改正に合わせてモデルチェンジしており、事実上ライフに統合された形となる。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. 軽トラックなどの商用モデルは販売を継続していた
  2. Man-MAXIMUM・Mecha-MINIMAMUM
  3. アルミ製のものが市販車に本格採用され始めるのは1980年代後半からである[3]

参考[編集]