ブライアン・メイ
ブライアン・ハロルド・メイ CBE (Brian Harold May CBE 1947年7月19日 - )は、イギリスのロックバンドクイーンのギタリスト、天文学者。ロック界随一のインテリとして知られ、通称は博士。
経歴[編集]
イングランドはミドルセックス州ハンプトン生まれ。7歳の時にエンジニアである父からアコースティックギターの手ほどきを受け、学生時代に‘1984’というバンドを組んだりなどして、勉学の傍ら音楽への関心を深めていった。インペリアルカレッジ在学中に友人のティム・スタッフェルとロジャー・テイラーで「スマイル」を結成するも成功せず、ティムが脱退し彼のルームメイトであったフレディ・マーキュリーがバンドに加入する。後にベーシストにジョン・ディーコンを加え、クイーンが結成された。
フレディ死後もロジャーと中心となってクイーンの名を守り続けており、2004年から2008年までポール・ロジャース、2011年には英国のミュージカルスターのケリー・エリスと、現在も積極的なレコーディング、ツアー活動を続けている。またレディー・ガガの曲「You And I」にギターとコーラスで参加し、ライヴでの共演もしている。また最近は野焼きの巻き添えになるハリネズミの保護を呼びかけたり、ゴルフクラブでキツネを撲殺した男を糾弾するなど、動物愛護活動にも積極的である。
なお、デビュー後10年で見た目が最も変わったアーティスト的扱いを受けるフレディに対し、ブライアンは全く変わらなかったことでも知られており、次々に貴公子スタイルを捨てるメンバーたちの中において最後まで貴公子然としたステージ衣装を着ていた。なお現在は毛染めをやめて白髪になってしまった。
曲調[編集]
ジョンとロジャーがソングライターとして才能発揮する前の初期クイーン内ではフレディと中心になってアルバム内の曲を書いていた。曲調はハードロックとバラードが多いが、プログレやブルース（もどき）、カントリー風楽曲も手掛けるなど多彩な音楽性を発揮。コンサートでは彼の曲を中心に演奏された。
- ウィー・ウィル・ロック・ユー - ずんずんちゃ。説明不要の有名曲。「世界に捧ぐ」（'77）から「ホット・スペース」（'82）のツアーまではギターのコードを入れてテンポを速くしたヴァージョンがオープニングに演奏されることが多かった。
- I Want It All - シンプルなハードロックながら凝った構成で、後期の代表曲に挙げられる。
- '39 - 宇宙開拓とウラシマ現象を取り入れた難解な歌詞のカントリーもどき。
- 預言者の歌 - ボヘミアン・ラプソディの陰に隠れて有名になれなかったプログレッシヴナンバー。
- タイ・ユア・マザー・ダウン - 夜這いの歌。単純明快なハードロックナンバーである。
- Sail Away Sweet Sister - 重度にシスコンな歌詞の名バラード。アクセル・ローズのお気に入り曲。
- 手を取り合って - 日本のファンに感謝を示し歌詞の一部を日本語で書いた曲。2011年の震災復興チャリティーアルバム「Songs For Japan」にも収録され話題にもなった。
サウンド[編集]
彼独特のサウンドを生み出しているのはエンジニアの父とともに制作したギター、レッド・スペシャルによるものが大きい。またギターを弾く際はピックではなくコイン（6ペンスやオーストラリア・5セントコイン）を使用することでも知られ、フチのギザギザを使うことによって彼独特のアタックのきいたサウンドを生み出している。なお、アンプはジョンの自作した「ディーキーアンプ」や、VOX製AC30三段重ねが彼の代名詞となっている。
ソロ・バンド外活動[編集]
クイーン外の活動では他アーティストとの親交が広かったことなどから、以下のように数多くの共演を果たしている。
- エドワード・ヴァン・ヘイレン（ブライアンの息子が好きだったSF人形劇「無敵艦隊スター・フリート」の主題歌をハードロック風にレコーディング）
- コージー・パウエル（ジェフ・ベックグループ、レインボーへの参加やセッションドラマーとして有名、公私ともに親交が深かった）
- ブラック・サバス（メンバーのリッチー・ブラックモアやニール・マーレイ、トニー・アイオミらと親交がある）
- フー・ファイターズ（たびたび彼らのステージに参加している）
- ガンズ・アンド・ローゼス（アクセル・ローズはQueenのファンとして知られる）
- ポール・ロジャース（ロジャーとブライアンとポールの三人で「クイーン+ポール・ロジャースとして」2005年からツアーを行った）
- 本田美奈子（1987年に彼女のシングル曲をプロデュースしている。）
またソロアルバムも多く発表している。ソロツアーにはコージー・パウエルやニール・マーレイが参加していた。
- スター・フリート・プロジェクト - Star Fleet Project（Mini Album, 1983） #35 UK, #125 US
- バック・トゥ・ザ・ライト〜光にむかって〜 - Back To The Light（1992）#6 UK, #45 Japan, #159 US
- 華麗なる復活 / 初ソロ日本公演記念ミニアルバム - Resurrection（1993）
- ライブ・アット・ブリクストン・アカデミー - Live At The Brixton Academy（1994） #14 UK, #72 Japan
- アナザー・ワールド - Another World（1998） #23 UK, #77 Japan
- レッド・スペシャル / ジャパン・ツアー・ミニ・アルバム - Red Special（1998）
- 「フーリア」オリジナル・サウンドトラック - Furia（Soundtrack）（2000）