フルビッツの安定判別法とは、連続時間の制御系が安定か不安定かを調べるための判別法の1つである。
ドイツの数学者のアドルフ・フルビッツによって示された。
フルビッツは、ラウスの安定判別法とは独立にフルビッツの安定判別法を示したが、
両判別法は数学的には全く同じであることがわかっていて、あわせてラウス・フルビッツの安定判別法とも呼ばれる。
フルビッツの安定判別法の出力の階比数列は、ラウスの安定判別法と対応する。
両判別法は、離散系におけるジュリーの安定判別法と対応する。
特性方程式の根を直接求めずに、係数から安定性を判別できる。ラウスの安定判別法と異なり、ゼロ割りが生じない。人間が手計算するの苦はなのでコンピューターに任せた方が良い(このとき、ゼロ割りでエラーにならない)。
フルビッツ行列[編集]
次の特性方程式の係数から以下のような行列を作ったとき、その行列の行列式と係数の符号を調べることで不安定根が存在するかどうか判別できることを示した。
上式の係数からフルビッツ行列をつくる。ただし、添え字がnより大きいaは0とする。
(特性方程式)
(フルビッツ行列,n次正方行列である)
(首座小行列式,k次正方行列の行列式である,kは1からn-1の整数である)
つまり、対角線上は添え字が1,2,3…,nとなり、各列は上から添え字が一ずつ減っていき、添え字が0未満やn超過では0とするということである。
フルビッツの安定判別法は、
「特性方程式の根がすべて負の実部をもつための必要十分条件は、すべての係数が同符号(正であって、負や0はない)であり、フルビッツ行列式(首座小行列式)がすべて正である」
というものである。つまり、負や0であるような行列式のフルビッツ行列があれば、その制御系は不安定である。
関連項目[編集]