フェルナンド・ディ・レオ
フェルナンド・ディ・レオ(Fernando Di Leo、1932年1月11日 - 2003年12月1日)は、イタリアの映画監督、脚本家。
経歴[編集]
プッリャ州バルレッタ=アンドリア=トラーニ県サン・フェルディナンド・ディ・プーリア生まれ。法学部卒業後、イタリア国立映画実験センターで学ぶ。1963年にオムニバス・コメディ映画『Gli eroi di ieri, oggi, domani』の第2話「Un posto in paradiso」をエンツォ・デラクィラと共同で監督し監督デビュー。セルジオ・レオーネ監督の『荒野の用心棒』(1964)と『夕陽のガンマン』(1965)の脚本にノンクレジットで参加。多数のマカロニ・ウエスタンやフィルム・ノワールの脚本を執筆した後、1968年に戦争映画『敵中降下作戦』で単独監督デビュー。ギャング映画やアクション映画、エロティック・ドラマを監督した。
代表作に「ミリュー三部作」と呼ばれるポリツィオテスキ『ミラノカリブロ9』(1972)、『皆殺しハンター』(1972)、『ザ・ボス/暗黒街の標的』(1973)、犯罪映画『I ragazzi del massacro』(“虐殺の少年たち”、1969)、ジャッロ映画『スローター・ホテル』(1971)、エロティック・ドラマ『恍惚の唇』(1969)、『La seduzione』(“誘惑”、1973)、『大人になる前に…』(1978)などがある。『I ragazzi del massacro』『ミラノカリブロ9』『皆殺しハンター』や脚本を執筆した『Liberi armati pericolosi』(1976)はジョルジョ・シェルバネンコの小説を原作としている。
クエンティン・タランティーノは『ザ・シシリアン/復讐の挽歌』(1976)がきっかけで映画監督を志したと語っており、『皆殺しハンター』のデビッド(ヘンリー・シルバ)とフランク(ウディ・ストロード)は『パルプ・フィクション』(1994)のヴィンセント・ベガ(ジョン・トラボルタ)とジュールス・ウィンフィールド(サミュエル・L・ジャクソン)のモデルとなっている[1]。
作品[編集]
監督[編集]
- Gli eroi di ieri, oggi, domani(1963)※フェルナンド・ディ・レオ、エンツォ・デラクィラ、セルジオ・タウ、フランス・ワイズ監督
- 敵中降下作戦 Rose rosse per il führer(1968)
- 恍惚の唇 Brucia ragazzo, brucia(1969)
- ゲバルトSEX Amarsi male(1969)
- I ragazzi del massacro(1969)
- スローター・ホテル La bestia uccide a sangue freddo(1971)
- ミラノカリブロ9 Milano calibro 9(1972)
- 皆殺しハンター La mala ordina(1972)
- ザ・ボス/暗黒街の標的 Il boss(1973)
- La seduzione(1973)
- Il poliziotto è marcio(1974)
- Colpo in canna(1975)
- デッドリー・ディール La città sconvolta:caccia spietata ai rapitori(1975)
- Gli amici di Nick Hezard(1976)
- ザ・シシリアン/復讐の挽歌 I padroni della città(1976)
- Diamanti sporchi di sangue(1978)
- 大人になる前に… Avere vent'anni(1978)
- Vacanze per un massacro(1980)
- L'assassino ha le ore contate(1981)
- 地獄のボンバー/史上最強のワンマン・アーミー Razza violenta(1984)
- ラスト・ターゲット/狙われたスパイたち Killer contro killers(1985)
脚本[編集]
- 荒野の用心棒 Per un pugno di dollari(1964)※ノンクレジット、セルジオ・レオーネ監督
- 夕陽のガンマン Per qualche dollaro in più(1965)※ノンクレジット、セルジオ・レオーネ監督
- 夕陽の用心棒 Una pistola per Ringo(1965)※ノンクレジット、ドゥッチョ・テッサリ監督
- 続・荒野の1ドル銀貨 Il ritorno di Ringo(1965)※ドゥッチョ・テッサリ監督
- 必殺の用心棒 Sugar Colt(1966)※フランコ・ジラルディ監督
- 続・荒野の用心棒 Django(1966)※ノンクレジット、セルジオ・コルブッチ監督
- 真昼の用心棒 Le colt cantarono la morte e fu... tempo di massacro(1966)※ルチオ・フルチ監督
- さすらいのガンマン Navajo Joe(1966)※セルジオ・コルブッチ監督
- 禿鷹のえさ 7 pistole per i MacGregor(1966)※フランク・ガーフィールド監督
- キスキス・バンバン (1966)※ドゥッチョ・テッサリ監督
- 皆殺し無頼 Johnny Yuma(1966)※ロモロ・グェッリエリ監督
- 星空の用心棒 I lunghi giorni della vendetta(1967)※スタン・ヴァンス監督
- 殴り込み兄弟 Sette donne per i MacGregor(1967)※フランク・ガーフィールド監督
- 虐殺砦の群盗 Pecos è qui: prega e muori(1967)※モーリス・A・ブライト監督
- 地獄のガンマン Odio per odio(1967)※ドメニコ・パオレラ監督
- 死神を背負った風来坊 Con lui cavalca la morte(1967)※ジュゼッペ・ヴァリ(ジョゼフ・ウォーレン)監督
- 荒野の一つ星 Wanted(1967)※カルヴィン・J・バシェット監督
- Omicidio per appuntamento(1967)※ミーノ・グェルリーニ監督
- 拳銃無頼 Un poker di pistole(1967)※ジョゼフ・ウォーレン監督
- La lunga sfida(1967)※ニーノ・ザンチン監督
- 嵐を呼ぶ男スリム Dio li crea... Io li ammazzo!(1968)※パオロ・ビアンチーニ監督
- 顔役 Gangsters '70(1968)※ミーノ・グェルリーニ監督
- E venne il tempo di uccidere(1968)※エンツォ・デラクィラ監督
- 風の無法者 Al Di là della legge(1968)※ジョルジオ・ステガーニ監督
- Ognuno per sé(1968)※ジョルジオ・カピターニ監督
- Blutiger Freitag(1972)※ノンクレジット、ロルフ・オルセン監督
- バニシング Uomini si nasce poliziotti si muore(1976)※ルッジェロ・デオダート監督
- Liberi armati pericolosi(1976)※ロモロ・グェッリエリ監督
出典[編集]
- ↑ Italian B-movies: Tarantino's inspiration The Independent