ハーグ
ハーグ(Haag)、またはデン・ハーグ(Den Haag)は、オランダの南ホランド州にある都市。オランダの王宮・首都機能がある事実上の首都。
概要[編集]
北海の沿岸にある都市。オランダの首都では無いが、国会議事堂や王室の宮殿などの首都機能がアムステルダムではなくハーグに全て置かれているため、事実上の首都となっている。また、国際司法裁判所など国際機関も多い。
デン・ハーグの「デン」は定冠詞。また、市の北部にあるスヘフェニンゲン区は、読みが「スケベニンゲン」に近いことから、珍名地名として有名。
地理[編集]
他の都市の位置関係は以下の通り。
気候[編集]
西岸海洋性気候(Cfb)。比較的寒冷で、夏の暑さは釧路・根室並で、冬の寒さは京都・仙台並。
歴史[編集]
元々、フリース族が住んでいて、8世紀以降はフランク王国、後の神聖ローマ帝国の支配下であった。ホラント伯(ホラントは、オランダという日本でよく使われる国名に語源となった地名)の領地で、1230年にハーグの町が建設され、以降ホラントの首都となった。
当初はホラント家が伯爵であったが、13世紀頃にホラント家が断絶。14世紀以降ベルギーのアヴェーヌ家、ドイツ南部のヴィステルバッハ家、フランス東部のヴァロワ家と伯爵が入れ替わり、1482年よりオーストリアのハプスブルク家がホラントの伯爵となった。ハプスブルク家がオーストリア系とスペイン系に分離して以降は、スペインの王がハーグの支配者となる。
16世紀末にオランダが独立したが、ハーグは引き続き事実上の首都であった。1813年よりアムステルダムが正式にオランダの首都と定められたが、首都機能はそのままハーグに置かれ、事実上の首都として現在でも続いている。
交通[編集]
15km南東にロッテルダム空港が、40km北東にアムステルダム空港がある。KLMオランダ航空のハブ空港であるアムステルダム空港へは、ハーグから鉄道で直接アクセスすることが可能である。
玄関駅は、市東部のデン・ハーグ中央駅と市南部のデン・ハーグHS駅。いずれも、都心から1km強の距離である。ハーグ始終着の列車は基本的に中央駅発着で、ロッテルダム方面とアムステルダム方面を結ぶ列車はHS駅のみに停車する。市内の鉄道輸送は路面電車が担っており、全13系統が運行している。また、ハーグ中央駅から西に延びる路線は、都心部をトンネルで横断しており、半ば地下鉄の様になっている。