ハッカー
ハッカー(hacker)とは、コンピューターに関する優れた知識や技能を持った者のこと。ただしこの言葉は使われ方の揺れが激しい語であり、使う者により大きく異なる意味合いで使われる。
本来は「やっつけ仕事(hack)」の技能に長けた人物の意。反面、「動かしてからが本当の勝負」と考えるハッカーも多く、そこからソースコードをコツコツと修正・改善・改良・浄書してゆくことを「ハッキング」ということもある。
ハッカーの善悪による分類[編集]
善悪によってハッカーを悪玉ハッカーと善玉ハッカーに区別することがある。
しかし人によって良い・悪いの定義や基準がまちまちであり混乱を招くことからこの区別の仕方を敢えてしないことも多い。
- 悪玉ハッカー(英:black hacker) - コンピューターに関する知識及び技能を用いて悪い事をする者。泥棒のような行い、クラッカー(cracker)またはシーフともいう。
- ホワイトハッカー(英:white hacker) - コンピューターに関する知識及び技能を用いて良い事をする者。悪玉ハッカーをクラッカーと呼ぶ場合こちらは単にハッカーと呼ばれることが多い。
単にハッカーと呼んだ場合に狭義として特に悪玉ハッカーを指す場合もあるが、上記の通り逆に狭義として特に善玉ハッカーを指す場合もある。
ホワイトハッカー[編集]
「ソフトウェア工学者」を宣言した和田英一がいる。「元祖ハッカー」として著名でありHHK(ハッピー・ハッキング・キーボードの開発した人物として知られている。「ハッカーと 我が名呼ばれん 初時雨』と、自ら詠んだ。
リチャード・ストールマンあたりが「ハッカー」の元祖とされるが、「日本のストールマン」と呼ばれる竹内郁夫さんもハッカーを自称している。
悪玉ハッカー[編集]
悪玉ハッカー(英:black hacker)、クラッカー(cracker)と呼ばれる主な基準。
- マルウェアの開発者。
- 悪意を持って他者のコンピューターやネットワークに不法に侵入して内部のデータを得てそれをいたずら目的で悪用する。また競合他社等の組織や個人等に売り込もうとしたりする。ただし、プロテクト・ロック・キラーは必ずしも悪玉ハッカーではなく、セキュリティ・ホールを指摘して立ち去るだけのハッカーもいる。
- 不法に他者のコンピューターに侵入しデータを破壊するといった行為をする。
- 悪意を持って他者のコンピューターのプログラムを破壊する。
- 悪意を持って、誹謗中傷によりインターネット上のサービスの機能を悪用しスクリプトを用いた異常な量のスパム投稿を行う。
- 他者のコンピューターやネットワークに不法に侵入してそれを他者に被害を与える、サイバーセキュリティを侵害する、サイバー攻撃。例えばDDoS攻撃等の行為を行うための踏み台にする。また発信元のIPアドレスを特定できないように嫌がらせを行うための踏み台にする。
- 他者のコンピューターをコンピューターウイルスに感染させようとする。
- パソコンの内蔵インカメラを使って、動画編集ソフトで、録画中に別のウィンドウを開いて録画画面を隠して、動画撮影で人間の顔を隠し撮り(盗撮)、あるいは盗聴する。
- 不正なソックパペット行為やウェブサイト上の記事に対する破壊行為を行う。
といった不正な、エロい、やばい行為を行う者を指すことが多い。
「ハッキング」も同じような意味ともされるが、いわゆる「暇プロ」を楽しむ意もある。“Winny”の作者として知られる、「47 氏」として知られる金子さんも自著『Winny の技術』の著者紹介で「趣味は暇プロ」と述べている。
フィクション作品の中では「嫌がらせ、セキュリティ侵害、プライバシーの侵害、肖像権をいたずら・肖像権侵害をしたりする不正な利用者。サスペンスドラマの作品に登場するような怪しい人、暴走族、犯罪者、やくざな利用者、自分勝手な利用者などで」として よく描かれる。
ジャーゴン[編集]
「ジャーゴン・ファイル」として知られる著名な参考文献がある。『ハッカー用語辞典』という邦訳もある。