トウショウ牧場
トウショウ牧場(トウショウぼくじょう)は、2015年まで北海道日高郡新ひだか町に所在した競走馬生産牧場。トウショウ産業株式会社が運営し、生産馬は基本的に同社や同社の経営者一族個人の名義でレースに出走させる、いわゆるオーナーブリーダーであった。
歴史[編集]
フジタ工業副社長で、馬主としても活動していた後に国政政治家となり、参議院議長も務めた藤田正明が創業。日本中央競馬会の広報誌『優駿』では1968年を創業年としているが、藤田正明の三男・衛成によれば、1963年から68年の間に開場、北海道に土地を見出し、原野を切り開いて牧場の形を整えたのは1965年と創業年ははっきりしていない。
1965年12月、初代牧場長の沼田正弘がアメリカで買い付けた牝馬ソシアルバターフライは第一子こそデビュー前の事故で死亡してしまったが、第二子のトウショウピットが牧場に初の重賞タイトルをもたらし、第八子のトウショウボーイは天馬と称される中距離における卓越したスピードで皐月賞、有馬記念などで10勝し、テンポイント・グリーングラスと共に「TTG」と並び称された。
繁殖入り後のトウショウボーイは種牡馬としても活躍したものの、トウショウ牧場ソシアルバターフライ系の牝馬との相性が悪く、牧場はその恩恵を受けれなかったという。
90年代以降は産駒の成績が低迷。その改善策として、特定の種牡馬に偏らせていた配合を広いものに改め、それらを繋養していた牝馬の各系統に平等に振り分けた。更に土壌改良・水源の見直し・育成施設の整備などを推し進めたことが2004年にスイープトウショウの秋華賞制覇という形で実を結んだ。
その後は不況の影響で徐々に規模を縮小。2015年に閉鎖された。閉鎖時点で繋養されていた牝馬6頭と当歳馬21頭はノーザンファームへと引き継がれた。