スプーン (釣具)
スプーンとは、金属製の板などを湾曲させたルアー、またはそれに似せた形状のルアーの総称である。食器のスプーンから柄をとったような見た目をしている。
概要[編集]
ルアーとしては極めてシンプルな形状であり、ルアーの元祖といわれるほどである。表面に太陽光が当たり、きらきらと反射することや水の抵抗でひらひらと動くことから魚の好奇心を煽るとされている。なお、金属製のものが主流であるが、近年は樹脂製の物や水牛の角を使ったものなどもみられている。
基本的にはただ巻きで使用され、速度を変えたりトゥイッチを挟んだりしてアクションを加えながら魚を誘う。狙う魚が好む色や水深に合わせてスプーンを選ぶことも多く、同じスプーンでも複数の色を揃えることが推奨されるほどである。また、形状によってリトリーブ時の動きも変わるほか、重さによって飛距離や狙える水深も変わるためかなりの数を揃えている人も珍しくない。なお、たくさんのスプーンがウォレット(スプーン用のケース)に整然と並んでいる様は美しさと華やかさも感じられるものである。
ニジマスのルアー専用釣り堀で使用できるルアーとしては非常にポピュラーなものであり、通常のスプーンにバーブレスフック(返しのない釣り針)であればよほど小さなものや異常に大きい(重い)ものでなければ使用できないところは少ない。これは小さいものだとフッキングが遅れることで魚がルアーを飲み込んでしまい、リリースできなくなることと大きく重いルアーは飛びすぎて対岸まで届いてしまうこともあるため、対岸からもキャスト可能である場合に危険であるためと推定されている。
起源[編集]
スプーンの起源は1806年のアメリカと言われている。ジュリオ・トンプソン・ピュエルが父親と釣りをしていた際、湖に落としたスプーン(食器)にレイクトラウトが食いついたことにヒントを得て作ったルアーがスプーンの原型と言われている[1]。そのルアーは実際にスプーンから作成されており、柄を切ったスプーンにフック(針)をロウ付けしたものであったとされる。その後、本格的にルアー作成に取り掛かり、現在のスプーンに近いルアーを製作。また、ルアーとしては初となるパテントを取得することになった。