スバル・レガシィアウトバック

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レガシィアウトバック(Legacy Outback 海外名:アウトバック)とは、スバルが製造しているクロスオーバーSUVである。

概要[編集]

1994年当時のRV車は一般的に無骨で力強い本格的クロスカントリー車(SUV)が主流であり、北米市場においてもSUVの需要は高いものがあったが、スバルは自社製のSUVを持っておらず[注 1]、それらに対抗できる車種の開発が急務とされていた。そのような北米市場に投入するべく、2代目レガシィをベースに開発されたのが初代アウトバックである。リフトアップしてオールシーズンタイヤを装着し、ルーフレールや専用のバンパーなどSUVチックなエクステリアに仕立てられ、内部もアウトドアでの利便性を考慮してラゲッジスペースにカーゴファン[注 2]や電源ソケットが装着[注 3]されるなど随所に改良が施された。また、ラダーフレームではなくモノコックボディの全高が低いアウトバックはスポーツ・ユーティリティ・ワゴン(SUW)という新しいジャンルのクルマとして投入された。販売直後こそ販売台数は伸び悩んだものの、セダンのような乗り心地の良さとAWDによる走行安定性の良さが徐々に受け入れられ、現在に至るまでスバルの稼ぎ頭となっている。なお、SUWという名称は定着しなかったものの、現在ではマルチパーパスなクロスオーバーSUVの草分け的存在として分類されている。

日本においては北米投入の翌年である1995年にレガシィグランドワゴンとして販売が開始され、1997年のマイナーチェンジの際にはレガシィランカスターと改称された。2003年の3代目からはレガシィアウトバックとなった。日本国内におけるレガシィのセダンタイプ終了後も販売が継続されていたものの、レガシィアウトバックも2025年3月末をもってに販売終了とアナウンスがなされている。これにより日本国内におけるレガシィの系譜に終止符が打たれることとなった。また、国内ではレガシィアウトバック誕生から30周年を記念した特別モデル「30th Anniversary」が500台限定で登場。専用オーナメントやSTIによるチューニングが施された足回りなど標準装着されたモデルであり、10月24日から11月10日まで申し込みが行われ、日本全国で約3200人が応募したといわれている。なお、海外においてはアウトバックとして生産・販売が継続される。

他のCUVにあまり見られない特徴として、2007年までノッチバックセダンのボディタイプも販売されていた。また、2代目をベースにしたスポーツユーティリティートラックスバル・バハも販売されていた。

関連項目[編集]

注釈[編集]

  1. いすゞとの業務提携でOEM生産されていたスバル・ビッグホーンは本格的なSUVであるが、専用グリルも車名も用意しないなど(違いはエンブレムのみ)、販売戦略上重要視されていなかったといわれている。これは自社の乗用AWDに自信を持っていたスバルはあえて本格的なSUVを売ろうとはしていなかったといわれており、同時期にいすゞ・ミューウィザードをスバルの北米工場で生産していたのにOEMすらしなかったことからもうかがえる
  2. 荷室の空気を喚起するために設けられた換気扇。ラゲッジスペースの左右に設けられていた
  3. 2024年現在のCUVでは当たり前であるが、販売当時としては先進的な試みであった