スバル・トラヴィック

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トラヴィック(TRAVIQ)とは、オペルが開発し、日本においてスバルOEMとして販売していた乗用車である。スバル初のミニバンとして知られている。

概要[編集]

オペル・ザフィーラのOEMモデルであり、1999年からスバルと資本提携を結んでいたゼネラルモーターズの経営戦略により実現したモデルである。GMのタイ工場からアジアに展開したいGMとミニバン需要を埋める車種が欲しいスバルの利害が一致し、両者の業務提携の成果でもある。

単純なバッジエンジニアリングというわけではなく、ザフィーラより排気量が大きな2.2Lのサターン製直列4気筒DOHCエンジンが搭載されたほか、サスペンションがスバルにより日本市場向けにセッティングされており、ベースのザフィーラが持つポテンシャルはそのままにより乗りやすいセッティングになっていたという。

エクステリアにも若干の変更が加えられており、グリルは初代インプレッサのようにハニカムメッシュグリルとなっているほか、Sグレードにはスバルデザインのエアロパーツが組み合わされている。このエアロパーツは見た目だけのパーツではなく、空気抵抗を示すCd値が0.32から0.30まで向上している点も注目したいものである。

インテリアは基本的にザフィーラそのものであり、質素で機能的な雰囲気を出している。もともとインテリアについて(2023年現在も)質素であると評されるスバルであり、その辺りは非常にマッチしていたものと言える。スピードメーターは海外仕様なだけあって220km/hスケールとなっている。一方で欧州車に多いダイヤル式シート調整機構はレバー式に慣れた日本市場からは使いづらいという声も聞かれたほか、ISO基準に沿っているためウインカーレバーは左側である。なお、2001年販売モデルでありながら全車イモビライザーが標準装備である。

これだけの装備を持ちながら、ベースモデルが199万、専用エアロを装備するSパッケージが224万であった(Lパッケージは234万)。対するザフィーラの日本国内での販売価格は1.8Lエンジンで289万と100万近く高価であった。ザフィーラがドイツ本国生産、トラヴィックがタイ生産という違いは有れどこの差は大きいものであった。そのためザフィーラの輸入を行っていたヤナセは2001年末に販売を中止し、オペルが日本市場から撤退する要因の一つとなったといわれている。

関連項目[編集]