スズメバチ

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スズメバチとは、動物界昆虫綱であり、膜翅目に属す。完全変態し、幼虫と成虫(羽化後の成体)では食性が異なり、幼虫は肉食、成虫は草食である。「ハチ」の代表種ともいえるアシナガバチはスズメバチの一種である。
英語では、「ホーネット」。

概要[編集]

広くは益虫であるが、刺毒があるため、もっぱら害虫とされる。
「黄色と黒の縞模様」という「いかにも警戒色」であるため、オオスカシバを代表とするスカシバガ類やハナアブやトラカミキリなど擬態する昆虫は数種ある。クマバチのように毒はあるもののほとんど攻撃してこず、とばっちりで風評被害を受けている種もいる。
幼虫は蛋白源として重要であるため、日本国内では熊や人間に食害される。そのため警戒心が強いが、それぞれの個体群によって特性(個性)があるという。
「地上最兇の昆虫」としてマスゴミによって喧伝されるオオスズメバチは、「世界最大のスズメバチ」として知られているが、さほど危険ではない。日本国内で危険なのは二種ほどである。アシナガバチはアメリカシロヒトリやチャドクガやイラガや、柑橘類を食害するナミアゲハの駆除にも役立っている。また、オオスズメバチはキイロスズメバチの天敵でもある。ミツバチのうちセイヨウミツバチはキイロスズメバチに食害されるが、ニホンミツバチはキイロミツバツに対抗できるので、セイヨウミツバチの養蜂家はスズメバチを嫌う。とはいえ生態系のバランスを考えるとオオスズメバチの立ち位置は微妙である。 ナミアゲハは山椒やミカン・キンカン・レモンを食害するといってもさほど迷惑ではない。関東地方では国内外来種であるアオスジアゲハやナガサキアゲハ、パンジーを食害するツマグロヒョウモンなどの蝶がいなくなっても寂しいので、痛し痒しの部分もある。

危険なスズメバチ[編集]

キイロスズメバチ[編集]

「いかにもスズメバチ」である。個体群によって警戒心が強いものがおり、人間を威嚇し集団で襲い掛かってくることがある。反面、それなりの学習能力もあって、「人間のいる環境」に慣れると飼育も可能である。しかし日本にはキイロスズメバチの幼虫を食用とする習慣がないため、利用価値に関しては不明であるが、下記外部サイトのような物好きな人の手にかかれば成虫も幼虫も食べられてしまう。

クロスズメバチ[編集]

「スズメバチっぽい見かけをしていない」「地下に巣を作る」「いきなり集団で襲ってくる」という意味で、都市近郊に営巣されると非常に迷惑な種である。登山道では、「この先にクロスズメバチが営巣しています」という看板が立っていたりする。とはいえ幼虫は「ハチノコ」と云われて広く食用とされ、「ヘボ追い」といった習俗もあるため、どっちもどっちではある。

類似の昆虫[編集]

クマバチ
スズメバチではなくミツバチの仲間。オスには針がない。サイズはデカく羽音が大きいので目立つが、気にしなければそれっきり。マルハナバチと同じく、益虫。
オオスカシバ
蛾である。ゆえに刺さない。クチナシの枝に、やけにデカいアオムシがいたらオオスカシバの幼虫である。そういう意味では害虫ではあるが、ほとんど被害は出ないので生温かく見守ってやろう。

駆除など[編集]

成虫は草食であるため、果汁などをジュースの飲み残しなどの缶を放置しなければよい。したがってPETボトルなどのトラップは有効ではあるが、根絶はしにくい。
直接対決したいのなら、白い防護服と燻煙器と、バドミントンのラケットとスタンガンを組み合わせたような蠅叩き(「蜂叩き」?)および厚手の塩化ビニール袋とドライアイス(炭酸ガスで麻酔できる)と殺虫剤で武装したほうがいいが、基本的にキイロスズメバチとクロスズメバチ以外はチョッカイを出さなければ無害であるので、「逃げるが勝ち」あるいは「個体群が、その環境に馴化する」のを待つのが順当な対策である。たまにオオスズメバチがパトロールしていたりアシナガバチが営巣していたりとかいうことは都市部(東京都内)でもあるが、気にしなければどうということはない。

脚注[編集]

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部サイト[編集]