じゃんけん
じゃんけんとは、ゲームの一種とされる。意外に奥が深い。
概要[編集]
グー(石)、パー(紙)・チョキ(鋏)の三つの形で勝敗を決められるようになっており、三竦みの関係になっている。べつに五行(木・火・土・金・水)でも構わないはずだが、ややこしすぎて子供にはわかりづらい。それで三すくみが採用されたらしい。
芸者遊びのひとつとして、「狐拳(藤八拳(とうはちけん)ともいう)」があり、狐は庄屋に、庄屋は鉄砲(漁師)に、鉄砲は狐に勝つというものがある。
他にもナメクジ、カエル、ヘビによる三すくみもある。ナメクジはヘビに強く、カエルはナメクジに強く、ヘビはカエルに強いのである。ナメクジがヘビより強いとは思えない。
ビートたけしはこれを応用して、警察・ヤクザ・オカマというジャンケンを考え出した。オカマに警察は弱く、オカマはヤクザに弱く、ヤクザは警察に弱いという物である。
昭和時代にはかけ声として「軍艦軍艦チビ、チビチビハワイ」というのが流行した。軍艦はグー。チビはチョキ。ハワイはパーである。その後昭和末期には、「最初はグーじゃんけんぽん」という掛け声が定着する。
人間生活との関わり・利用[編集]
変形として「ポイントじゃんけん」という非零和協調ゲームがある。これは「相手がこちらと協調することができるかどうか」に対する問いである。
すなわち、
- グーでチョキに勝つと、勝ったほうに1ポイント
- チョキでパーに勝つと、勝ったほうに2ポイント
- パーでグーに勝つと、勝ったほうに5ポイント
というルールである。
これは乱数を利用する(初等ゲーム理論では「混合戦略」という)ことによって平均的には一応の最善手があるのだが、それは一回性のゲームに限られる。これが「百回」とかになると話が変わってくる。
こうなると、双方が均等にポイントを儲けようとすると、一方がパーとグーを交互に出し、相手がグーとパーを交互に出したら、双方に平均で一回につき2.5ポイントが得られることになる。ただし、「交渉なし」「後払い(当事者どうしで終わってから山分け)なし」という条件がつくと、いきなり考えさせられる。「最初にグーを出し、相手がパーで勝つまでグーを出しつづけ、相手がパーを出したら次にグーを出す」という手があるが、「それで相手が気がつくだろうか?」という話になるとゲーム理論的に面白い話になってくる。実験心理学のテーマとしても取り上げられるが、なかなか協調行動に結びつかないことが知られる。
「たかがジャンケン、されどジャンケン」と謂えよう。
脚注[編集]
関連作品[編集]
- 『ボーボボ・ボボボーボ』でお馴染みの澤井啓夫には『激戦!!ジャンケン島』という漫画作品がある。
- 藤山寛美の松竹新喜劇では、主人公がパーだからじゃんけんで必ずパーを出すという設定を軸にし、効果的に演出した演劇が存在する。
- 『賭博黙示録カイジ』にはジャンケンカードを使った心理戦のパートがある。
関連項目[編集]
- 『コント55号の裏番組をブッ飛ばせ』 - 野球拳が効果的に使われていて、同番組の目玉となった。